フリーのデザイナーに薦める14通りのブレスト術

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ニューヨーク在住。
ブランディング、タイポグラフィー、デザイン史などについて執筆。

以前までは、クリエイティブ業界でフリーランスとして働くことはハンデと思われていた。デザインするのに、他者からのインプット無しではブレストできないと言われていたのだ。

しかし、一般的なブレストはクリエイティビティを抑制して集団思考に偏ってしまうと、多くの研究者が発表してきた。そこで、フリーランスのデザイナーの方が創造性のあるブレストを行えるかもしれないと思われるようになったのだ。

なるほど。しかし、1人で働いているとワンパターンの思考にはまってしまうという不安は依然として残る。以下、フリーのデザイナーに薦める14通りのブレスト術をご紹介しよう。

1. 脳が活性化する時間を知る


Image by Basheer Tome, (via Flickr)

多くの人が午前中がもっともクリエイティブな時間だという — カフェインが血液を巡った後か、昼食前の空腹と昼食後の疲れが来る前の時間帯だ。しかし、それは人によって違う。村上春樹氏は作品をすべて夜明け前から早朝に書き上げるが、深夜に制作をする夜型の作家もたくさんいる。

2. 集中できる環境を見つける


Image by Tanel Teemusk (via Flickr)

身の回りには集中をそらすものがたくさんある。パソコンはメールが気になったり、何かと検索してしまったりする。他にも環境的要因によって集中できないことはたくさんあり、物が散らかって汚い部屋が作業の邪魔をしたり、しなければいけない雑用が頭に入ってきてしまう。きれいで落ち着いた環境を見つけよう。

3. 場所を変える


Image by Neo_II (via Flickr)

いつも同じ場所で働いていると、ワンパターンの思考をしてしまう。たまには外へ出て新鮮な場所で働こう。喫茶店などはインスピレーションを沸かせる予期せぬ出会いや体験を招いてくれる。

4. 色んなものにインスピレーションを探す


Image by Karen Horton (via Flickr)

例えばあなたの仕事がワインボトルのラベルをデザインするとき、一番良くないのは他のデザインを調べることだ。既存のデザインに縛られてしまって、クリエイティビティが止まってしまう。ワインボトル全体で考えるためにも、絵画や彫刻、ブックカバー、ロゴ、Webサイトなどを見ることでアイデアを出し、コンセプトが固まってからラベルに集中するのだ。

5. 言葉遊びをする


Image by Austin Kleon (via Flickr)

フロイトのクリエイティビティにも通じる教訓は、自由な形式の言葉遊びが刺激してくれるということだ。与えられた1つのキーワードから言葉を連想すると、間違いなく思いもしなかったものが出てくる。

このゲームが形式化されたものが「マインドマップ」で、紙の真ん中にキーワードを書き、そこから思い浮かんだ言葉を書いていくことで連想を広げていくのだ。

ダダの代名詞といえばいわゆる「優美な屍骸」だ。テーマとなんとなく関係ある言葉をそれぞれ1枚の紙に書いていく。すべて帽子に入れ、そこから2枚を無造作に取る。その予想外の組み合わせが想像を活性化させてくれる。

6. 修正をしない


Image by Alan Levine (via Flickr)

ブレストをしているとき、最後に修正がしたくなってしまう。しかし、重要なことはくだらないこと(たいていは最良のものに変形することになる)も含めて、波に乗ってできる限りアイデアをひねり出すことだ。修正は重要なことだが、それはもっと後にすればいい。

7. 現実的なことは考えない


Image by Wolfram Burner (via Flickr)

ブレストは現実に縛られるものではない。予算、時間、クライアントの性格などに合わせて考えを狭めることよりも、もっと自由に考えよう。

もし無限の予算と時間、制約のないクライアントがいたら、なにができるだろう?そんな暴走した考えが、アイデアにつながる。素晴らしいアイデアが思い浮かんでから、現実的にどうやって着地させるのかを考え始めるのだ。

8. アナログな道具を使って手を動かす


Image by Peter Miller (via Flickr)

考えてばかりではアイデアは広がらない。むしろ、手を動かすことによってアイデアが広がるのだ。だから道具は注意深く選んでほしい。最初からパソコンでスケッチを始めると、いつものルーティーンに陥りクリエイティビティをなくしてしまう。

パソコンはまた、削除、アンドゥボタンがいつも手元にあるため、脳の中の修正機能を促してしまう。一方で、実際の鉛筆、ペン、筆を使うことでクリエイティブな波に乗れるのだ。

9. 視点を変える


Image by Satragon (via Flickr)

視点を変えることは重要だ。ブレストを1人でやるとそれは難しいが、不可能なことではない。例えば商品の顧客や、あなたがデザインしてるブランドイメージの方向によって視点を変えるテクニックはたくさんある。

IDEOは視点を変えるためのフラッシュカードまで作り出している。例えば「そのプロダクトやサービスを使っている人物のストーリーを作り出せ」といった感じだ。

10. 多分野の人と話す


Image by Andrew Rusk (via Flickr)

MITの「ビルディング20」はもともとは他に行き場のない、様々な考え方の教授(言語学のノームチョスキーからロボット工学士など)を閉じ込めるための空っぽの倉庫だった。

その結果、「マジカルインキュベーター」と呼ばれるほどの、20世紀最高のアイデアとイノベーションが生まれる場所となった。なぜそんなにうまくいったのか?それは、カジュアルな場で、今まで全く話すような機会がなかった人たちと話せる雰囲気があったからだ。

ここで明らかなように、ブレストはデザイナーの友人とだけ話すように自分を制限してはいけない。自分のプロジェクトを知り合いの色んな人たちに見てもらったり、彼らのプロジェクトも見させてもらおう。そのためにシェアオフィスで働くことは良いきっかけになるかもしれない。どこで、誰から閃きをもらえるかは分からないのだ。

11. よく眠る


Image by Hartwig HKD (via Flickr)

睡眠と夢を見ることの仕組みは多くは謎のままだ。分かっていることは、夢を見ている時、脳は休息だけでなく様々なレベルで論理的に欠如したアイデアをつなげているのだ。起きているときに体験することよりも、もっとクリエイティブなモードだ。

夢の中ではおかしなことが起こるが、人類の偉大な業績は夢で見たことの具現化とも言える。眠ったあとに自分のアイデアを振り返ると、完全に別の視点から見れることに気づくだろう。

12. クリエイティビティをコントロールする


Image by Don DeBold (via Flickr)

クリエイティビティが雑用やストレスの源になると、消えてしまう。デザイナーとして、ストレスを引き起こしやすい仕事のプロジェクトに全てのクリエイティビティを向けることは危険だ。

最良の方法はクリエイティビティをコントロールすることだ。料理や絵を描いたり、短い小説を書いたりなど、仕事ではないことにクリエイティビティを生かしたり、まったく別の運動や映画鑑賞にも時間をかけることだ。

13. イメージログをつける


Image by Bunches and Bits {Karina} (via Flickr)

インターネットは底なしのビジュアルインスピレーションであり、活用すべきだ。Pinterestなどのサービスはデザイナーにとって必須であり、見つけた無数のインスピレーションをつかまえて保存しておくことができる。

ブレストでアイデアが出なくなったら、それをざっと見れば、何かアイデアがひらめくだろう。

14. アプリを活用する


Mind-mapping app, Mindnode

ブレストは生産工場みたいなものだ。有料の場合もあるが、アイデアを促し整理できるようなたくさんのアプリが市場にある。通常はこれらに不信感をもって使用するが、便利なアプリもいくつかある。

Mindnodeは美しく、生産的なマインドマップを作り、プロジェクトに関するインスパイアされる画像を組み合わせられる素晴らしいツールだ。チームで働く場合は、Candorは便利なアプリだ。メンバーと意見交換する前にアイデアを書いて、集団思考や大勢順応の型にはまる傾向を防いでくれる。


以上、使えそうなものがあればぜひ試してほしい。


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