「空間」を効果的に使う10通りのデザイン例

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「空間」を使うことで、どれだけ生き生きとしたデザインを作れるかが決まる。そして、レイアウトを決めたり、もしくは切り分けたりすることができる。

この記事では、より効果的に空間を使う10の方法をご紹介しよう。ここに挙げた方法を使えば、誰が見ても美しく、なおかつ分かりやすいデザインを導くことができる。もし空間の重要さを見逃してしまうと、イメージとテキストが乱雑するデザインとなり、途方に暮れてしまうだろう。

1. 風水を取り入れる


BedowによるAdisgladisのアイデンティティ

風水とは、一般的には家具の配置について語る時に取り上げられる概念だが、グラフィックデザインにまで範囲を広げて考えてみることができる。言いかえれば、グラフィックデザインにおける全ての要素それぞれと、その周りを取り囲む背景は、全て相互に関係しあっているのだ。

このことを念頭において見てみると、ここで挙げた封筒デザインは、まるで上から下へと家具を配置しているかのようにデザインされている。風水の流れに従って配置を変えたおかげで、Bedowがどんなに快適な「生活空間」を生み出すことができたのか、感じとってみてほしい。

2. 動きを与える


BedowによるMore Than Humanのポスターデザイン

何もない空間に「動きを与える」ためには、多くの方法が考えられる。上の事例では、4つのデザイン要素それぞれの側面が、見えないガイドラインに沿って1つの直線上に並んでいる。このガイドラインは、ページの垂直方向に上へ下へと走っているので、その結果、4つのデザイン要素の間でコミュニケーションが発生している。

このガイドラインは、真っ黒で何もない空間を貫いて、オブジェクトとオブジェクトを結び付けている。見ているうちに突然、この空間が実はビジュアルコミュニケーションのメディアとして機能していることが判明する。オブジェクト同士が、取り囲む空間を介して話し合っているかのようになる。空間を活用し動きを与える、ということは、このような感覚を意味する。

3. 何も無い空間を生かす


Bedowによる展示会カタログカバー

ここで挙げた事例では、真っ白な何もないシンプルな空間と、型抜きされた白い空間が並置されており、力強いデザインになっている。

ページ上部の中心に配置された白いダイアモンドの型抜きが特に、効果を発揮している。このように型抜きされた形とは、理論的には、何も存在していない空間だったところを、赤いインクで囲んではっきりさせたものだ。何もなかった空間が明確な形に変化したということを、このデザインはしっかり強調している。

4. 媒体のサイズにとらわれない


BlokによるVuhlのアイデンティティ

デザインの大きさはページの範囲内に納まらなければならない、という考えは間違っている。ページの大きさは関係ない。デザインがどんな空間を利用するかは、完全にデザイナーの想像力にゆだねられている。

このデザインでは、実際には存在さえしていない空間が生み出されている。その空間に、「Vuhl」という単語がページの範囲を超えて大きく配置されている。見ている人が自分の目で文字の全体を確認することはできないが、それでも確かに文字が存在している、と認識できる。ほんの少し想像力を働かせるだけで誰でも、ページを超えた空間を手に入れることができるのだ。

5. 見えない要素を創る


BlokによるTopixのアイデンティティ

このデザインでは、「O」「P」「X」といった文字を有する空間と、何もない空間で囲まれて、あたかも四角形が存在しているかのように見える場が創り出されている。目に見えなくてもちゃんと認識できる。このように空間を使うことで、Topixのロゴには独特の「フック」が備わり、見る人たちを惹きつけている。

6. ひねりを加える


Blokによる展示会カタログ

この事例では、グラフィックデザインではこうあるべき、と想定される空間に対して「ひねり」が加えられている。本の背中部分にテキストが書かれ、単語があふれ出ているということは、普通は決してありえない。つまりここでは、通常ではないやり方が意図的に使われているのだ。

このデザインは、本のカバーデザインという次元を完全に超えている。見ているうちに多くの疑問が湧き、気になってうわの空になってしまう。このような空間の活用が人々の好奇心をそそり、結果としてかなり効果を与えるのだ。

7. 詰め込む


Tstoによるポスターデザイン

一般の人々は、空間に関するもう1つ別の誤った解釈にとらわれている。空間とは生き生きとした快適な空間でなければならない、ということだ。これも正しくはない。時間を使ったアートはたびたび納まりが悪いものであるし、人生でさえ同様だ。グラフィックデザインが同じようになっても、全く問題はない。

上の事例では、「invitation」という単語がページの左側に無理やり押し込められているが、デザイン全体との関係から見るとむしろ、泡のような部分から際立つ中心になっている。最も大切な内容が表現された空間となっているからだ。空間を考慮してデザインを決定することは、意図をはっきりと示すという意味でも効果的なのだ。

8. 始まりと終わりを意識する


Inhouseによるオークランドのアイデンティティ

空間とはまた、始まりと終わりの場所に関連する概念とも言える。対辺が「何も存在しない」空間で終わっているこの事例でも、デザインを使えば、終わらないように見えるループを創り出すこともできる。このようなデザイン上の始まりと終わりを定義するクリエイティブな方法は、他にも無数に考えられる。

9. 誘導する


Experimental Jetsetによる新聞表紙のデザイン

この事例では、空間はかなりシンプルに解釈されている。趣旨に従って背景が配置されている。記号や色を使うことで、見ている人は空間から正しく趣旨をくみ取ることができる。だからこそ、この方法は効果を生み出しているのだ。見ている人はデザインによって、その中の空間を探索する道筋や方法へと導かれている。

10. 奥行き、階層、3D


Experimental Jetsetによるポスターデザイン

コンピュータ画面はもとより、紙や印刷メディアといった平らな面でのデザインを考える場合、3Dの手法も使える、ということをよく忘れがちだ。デザイナーには、紙の深部に到達し、空間の深みを使ってデザインする能力がある。

このポスターでは、ある単語は前方に、その他の単語は後方にあるかのようにデザインされている。このようなフォトグラフィックな要素を活用し、効果的に3Dをデザインに組み込んでいる。

まとめ

空間とは抽象的なものだ。いろんな解釈ができる。そして究極的には、デザイナーの想像することはなんでも実現しようとしてくれる。今まで見てきた事例は、空間がもたらす可能性のほんの一部だ。この記事で紹介した方法は、空間に関する基本的なものだ。しかし、新しい考え方に繋がる布石であるかもしれない。


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