リブランディングの前に明らかにすべき5つのポイント

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企業がリブランディングを実行するのは簡単なことではないし、そこにはさまざまな理由がある。関わるデザイナーは、ロゴデザインに取り掛かる前に、クライアントにしっかりと向き合い、その背景を紐解いていく必要がある。

1. リブランディングする理由

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Morton Saltのロゴはおそらく古臭さを払拭するためにリブランディングを行い、現在のロゴ(一番右)は純粋なかわいらしい女の子になっている。

この質問は、まだ仕事を獲得してない段階のクライアントに話しをする際、まず初めに聞くべきことだ。互いに意見を述べ合えるバランスの取れた質問でもあり、関係性を築くのに最適だ。

ロゴを変更しなければいけない理由としては、分かりにくかったり、直感的にしっくりこないといったことがある。他には、インパクトに欠けていたり、そもそも企業名の変更などが考えられる。しかし、一番よくあるのは、古臭い印象になっていることだ。クライアントはこの事をはっきりと言わないかもしれないので、じっくりと話し合って導き出してほしい。

2. 残したい遺産

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突然あなたに舞い降りてきたすばらしいアイデアや、頭の中に壮大なロゴの発想があったとしても、クライアントとしては、変更前のロゴから残したい何かがあって、それを基準にしてほしいと思っているはずだ。もしデザインを始める前にクライアントに何も聞かずに、要望に沿わないデザインで進めてしまったならば、その作業した分の時間が丸々無駄になる。少なくとも、何を残す必要があるかだけでも聞いておくべきだ。それは、特定の色かもしれないし、カラースキームか、書体(セリフ体かサンセリフ体か)、会社名の大文字小文字の問題かもしれない。

ある会社からNASAに提案された新しいロゴを見てみると、今挙げたような質問はなされなかった可能性がある。このデザインは元のタイポグラフィとカラースキームを大きく無視したものであり、NASAはこの提示されたデザインを却下した。

3. 求める変化の幅

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これは、より感覚的な部分の質問であり、この答えを導き出すにはクライアントとじっくり話す必要があるだろう。基本的には、クライアントが多少の変更を望んでいるのか、徹底的に作り変えたいのかを探るべきである。具体的に、自分で作ったものでも他のデザイナーのものでもいいから、事例を示してあげるのがいい。元のロゴからのビジュアル的な変化の幅を少しずつ変えて作成した、いろいろなバージョンを見せてみよう。そうすれば、クライアントは実際にどの程度まで元のロゴから変更したいのか具体的に指摘することができる。

3Dロゴは2000年代初期から流行り始めたが、その流行が終わりかけた2008年にChevron(シェブロン)は今のロゴに変更した。彼らは少しの変化を求めたのだろう。新しいロゴでは、単純に元のロゴの囲み線を削除し、時代遅れな雰囲気を取り払った。ここにはデザイナーがクライアントときちんと話し合いをした上で、意図的に元のロゴに近いものにしていることが分かる。

4. 元のロゴに対する社会的イメージ

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リブランディングする際によく上げられる一番難しい点は、多くの場合、顧客が元のロゴに対して企業のイメージを強く持ってしまっていることだ。このイメージがどれだけ強いのか、そして大胆なリブランディングをしたとき、どのくらいの影響が出るのかを事前に話し合うのはとても大事なことだ。強烈なリブランドを打ち出してしまった場合、今いる顧客を戸惑わせてしまわないだろうか? もしくは、このリブランディングでまた1からやり直し、新しい顧客ベースを開拓していくという方針でいくべきだろうか?

視覚的イメージが強く付いている良い例は、Apple社だ。Appleのロゴの形をいじったほうがいいとは誰も言わないだろう。今までリブランディングを行ったデザイナーたちはそれをよく分かっていたようだ。ブランドのロゴはあまりにも強烈すぎて、このリンゴの形を少しでも崩そうものなら、多大な損害を被ることはほぼ確実だろう。

この形は数十年間という歳月、Apple社と強く結びついてきた。誰もこれを壊したいとは思わないし、この強力なイメージを再編成したいとも誰も考えない。

5. 新しいロゴとユーザーのタッチポイント

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Marmal社のロゴ

この質問はどんなデザインのロゴの場合にも役に立つものだが、質問をするタイミングが重要だ。転換期である、リブランディングを実行に移す前の段階で聞くべきである。クライアントは何か新しいことを始めようとしているのかもしれない。それを知っておけば、新しい商品なりプロジェクトに合ったロゴを作成することができる。

Marmal社の例を見てみよう。Marmal社の新しいブランディングで求められたのは、ダイナミックで柔軟性があるもの。例えば、商品やマグカップの表面、ちらしなどにも使えるものだ。デザイナーのMonika Kusheva氏はこの企業側の要求を理解しており、幾何学的な図を採用した。さまざまな場面で使えそうなデザインスタイルを取ったのだ。柔軟性の必要性が分かっていなかったら、このようなロゴは作れなかっただろう。


この5つの質問をクライアントにすることで、きっと実のある話ができ、そのあとのデザインに生きるはずだ。


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