人生で最高のプレゼンをするための7つのステップ

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UX関連の基調講演を世界中で数多くこなしてきたが、最初からプレゼンが得意だったわけでは全くない。長年バンドのメンバーとして人前で演奏してきたため、多少は緊張する場面に慣れていたかもしれない。しかし、私はキーボードプレイヤー、つまり脇役だった。プレゼンでは主役にならなければいけない。それどころか、自分一人だけでステージに上がらなければいけない時もある。何百という人から直視されて話すというのは簡単なことではない。

だが、大切なのは緊張を克服する方法ではなく、プレゼンの内容をいかに組み立て、聴衆に届けるか、ということだ。以下に示したステップは、私自身がプレゼンを準備する上で念頭に置く大枠だ。聴衆をがっかりさせないためにも、毎回40~100時間かけて準備する。そのステップを詳しく説明していこう。

1. テーマをはっきりさせる

プレゼンターがだらだらと脈絡なく話し続け、水を飲む時だけ静かになる、というプレゼンは多い。そんな場合、聴衆は話しが終わるのを我慢して待つだけといった状況になる。

テーマを決めて自分なりの視点を持つようにすれば、内容をシンプルにまとめることができる。基本的なテクニックはさておき、とにかくプレゼンでは何かを発表しなくてはならない。それはつまりタイトルに集約されることになる。

まずは、「なぜ、この講演をするのか?」と自分に問いかけてみることが大切だ。
習得した知識を共有するためなのか。新たなコンセプトを聴衆に紹介するためなのか。あるいは既存のやり方に反旗を翻すためなのか。いずれの場合でも、自分の意見を持つということが必要となる。

2. 実践的な話をする

私は理屈っぽい話が苦手だ。そういったプレゼンに参加しても楽しくないし、私自身するつもりもない。聴衆は、彼らが知らなかった、仕事の効率が上がるような何かを学ぶために来ているはずだ。だから、プレゼンを準備する際は常に実践的な話や具体例で構成するようにしている。その数は別に多くなくても構わない。3つもあれば十分であるし、逆に1つでも、それを掘り下げて展開できれば問題ない。

ただ、聴衆の集中力は長くは続かないし、彼らのポケットにあるiPhoneからの呼び出しには、プレゼンターは到底太刀打ちできない。話しをする時は、「これから文章が上手くなるための3つのコツをお話しします」というように、次にどんな話題が来るのかを明確にしよう。

実践的な話により、創造性が刺激される場合がある。あなたが紹介した実践的な例でそれが起これば、そのプレゼンは成功と言えるだろう。聴衆はそういった話を期待して、わざわざ足を運んで来るのだ。

3. 正直に話す

プレゼンへの情熱が最も輝くのは、あなたが自身の経験を元にして話す時だ。そういう話を謙虚な姿勢で語ろう。その際は成功した話だけでなく、自分自身をちょっと揶揄するような感じで、失敗した時の話も織り交ぜるといいだろう。

聴衆はプレゼンターが本物かどうか、すぐに見分けてしまう。あなたの内面が少し見えるような個人的な話を共有してみてほしい。単に聴衆を引きつけるためではなく、その主張を持つに至った経緯を織り交ぜるのだ。プレゼンの下書きの段階で、自分の主張を裏付けるような個人的な話(古くても良い)を思い出してみるといいだろう。

4. 文章にする

これは一番気に入っている方法だ。トピック、実践的な例、個人的な話などが思い浮かんだら、文章に書き起こす。この文章が、プレゼンの構成になるというわけだ。どのように文脈を設定するのか。話の一番のポイントは何か。話を強化するために個人的な話はどこに入れたらいいのか。文章にすることで、これらを事前に解決できる。

この文章を、例えばブログやWebサイトなどに掲載すると、反響の目安を知ることができる。大きな議論を生んだり広くシェアされたりすれば、ある意味、大成功だ。そうでない場合、どのような点が弱いのかを知るために、読者のリアクションを探ろう。

5. スライドのテキストを簡潔にする

スライドはアイデアを作るものではなく、アイデアを補うものだ。主張を裏付けるような適切な画像を見つけよう。ただし、その画像をテキストで覆い尽くしたいという衝動は抑えてほしい。テキストを載せる場合は、大きめのフォントで簡潔(ツイート程度)にすべきだ。それらがうまくつながった場合、表現しようとしていたアイデアは非常にパワフルになり、実践的な話の理解度は高まる。

ちなみに、アニメーションは避けた方が賢明だ。大きな画面に投影された場合、目がチカチカしてしまう(Preziに他意があるわけではない)。

6. ユーモアを取り入れる

誰だって面白くなれる。もちろん、あなたもその例外ではない。ユーモアは、聴衆にプレゼンを集中させる一番の方法だ。と言っても、別にスタンドアップコメディをやれとかそういうことではない。ただ、いいタイミングでジョークを入れると、その話はとても印象強くなる。自虐的なユーモアは常に盛り上がるし、同時に謙虚さも示される。

7. ひたすら練習する

書き起こしが終わり、スライドやジョークの組み立ても整ったら、やるべきことはあと1つ。そう、練習だ。いいプレゼンを準備する上で何よりも大切なことだ。練習をするたびに内容が頭に入り、間の取り方や話題の移行のタイミングなども見直せる。練習を通じて、プレゼンのどこが弱くてどこが強いのかに気づき、途中で機材トラブルが起こった際の対策なども練ることが可能となる。以下がその手順だ。

  • 1-2回目:オフィス内で壁に向かって1人で。
  • 3回目:妻に向かって(最良の仲間)。彼女がプレゼン中ずっと起きていれば、ある程度は成功。
  • 4回目:昼食時に、オフィス内で同僚に向かって。仲間内の友好的な雰囲気の中でテストをすることにより、内容やプレゼンスタイルに自信を持つことができ、かつ誠実なフィードバックを得ることもできる。
  • 5回目:オフィスで再度リハーサル。ビデオに録画し、それをチェック。気恥ずかしさはあるものの、お薦めの方法。
  • 最終回: 自分1人あるいは同僚の前で再び。この段階では、話す内容や展開、プレゼンのタイミングがしっかりと頭に入り、体になじんでいる。

以上が、いいプレゼンを作り上げるために、私が普段から用いているステップだ。これらは、聴衆の興味を引くような具体的な内容を築く助けになり、プレゼンを自然な形で届けられるよう、足場を固めてもくれる。
是非試してみてほしい。