衰え続けるApple製品の使いやすさ

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経営アドバイザー、TEDスピーカー、作家。

Apple製品はどんどん使いにくくなっている。デザインの原則を無視しているからだ。

私はAppleの古くからのファンだ。Apple IIコンピューターの時代からずっと彼らのプロダクトを使ってきた。

プロダクトを愛するあまり、1993年、私は大学の仕事を辞め、Apple社に移ってUser Experience Architect’s Officeを設立したほどだ。後にはApple’s Advanced Technology Groupのヴァイスプレジデントになった。むろん、この原稿もMacで作成している。

かつて私はApple社に在籍していることを誇り、そして、使いやすさ、分かりやすさを進化させているというAppleの評価を自慢に思っていた。しかし悲しいことに、プロダクトがきれいな外観や、デザイナーが言うような「スタイリング」に向かうようになり、昔の輝きは急速に消えつつある。

Appleプロダクトは、使い勝手や分かりやすさを顧みない洗練されたミニマルな外観と、マニュアルを開くことなく複雑な作業を操作できる特性を共存させることで人々を夢中にさせてきた。

現在のプロダクトは美しいが、多くのユーザーを困惑させている。タイポグラフィーも見た目は良いが、読みにくい。「分かりやすさ」の原則は失われてしまった。多くのシチュエーションの中で、次にどう動けばよいかを知るには、アクションを覚えなくてはならない。スクリーンには、スワイプの仕方を覚えられるようなヒントは何も表示されない。左右どちらか、上か下か、1本指か2本指か、あるいは3本なのか。私は何度もマニュアルを読み返さなければならない。つまり、コントロールパネルに戻り、数種類のスワイプを復習するのだ。しかもそれはデバイスごとにバラバラで、マジックマウスはトラックパッドとは違い、トラックパッドはiPadと違うという状況なのだ。

リサーチコミュニティーが、人は一定の数以上のアイコンの意味を覚えられないことを実証し続けてきたにもかかわらず、不可解なアイコンがユーザーを混乱させる。「アイコンとラベル」は、「アイコンのみ」や「ラベルのみ」よりも分かりやすい。誰がアイコン1つ1つの意味を覚えられるというのか。少なくとも私には無理だ。

ジェスチャーで操作する最近のデバイスにはフィードバックがなく、「取り消し」ができない。「メニュー」はなくなった。なぜなら、ミニマリズム、基本的なプロンプト、使いやすさを促すシグニファイアは共存できないにも関わらず、メニューはミニマルな外観を損ねてしまうからだ。

幸い、私の批判のほとんどはiPhoneとiPadのみに向けられているが、似たような変化はデスクトップデバイスにも現れている。

残念ながら、GoogleもAndroidのデザインにおいて同じ病にかかった。しかし、そこにはまだメニュー(と、メニューの所在を示すスクリーン上のアイコン)がある。

同じように考えているのは私だけではない。多くの一般的なAppleデバイスユーザが同意している。私が議論した、何人かの著名なベテランデザイナーも同意している。私の良き友、Bruce Tognazzini(Tog)氏も同意している。Tog氏は古い友人で、Nielsen Normanグループのパートナーであり、Appleの最初のインターフェースデザイナーでもある(彼はAppleの66人目の従業員だった)。彼と一緒に、批評『How Apple ruined design』を書いているところだ(参照: WikipediaTog氏のブログ)。

一方で、私の苦言に耳を傾ける人が現れた。 Ayesha Salim氏が私の見解を取材し、IDG Connect Webサイト掲載の自身のコラムに書いた。『Design guru Don Norman slams Apple’s ease-of-use ‘disservice’

こうなると、Tog氏と私は、より詳しく包括的な記事をなるべく早く完成させたほうがよいだろう。


2015年11月: Fast Company上で記事『How Apple Is Giving Design A Bad Name』を発表した。