マーケティングとはデザインである

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監査というと仰々しく鬱陶しいと思うかもしれないが、要は絶好の学習機会である。

マーケティング監査とは、ビジネスの世界における歯科検診の様なものだ。定期的に行う検診はあまり気持ちのいいものではないが、自分自身、歯にとって良いことは知っているだろう。さらに重要な事は、中途半端な磨き方や歯の根を傷つけてしまうことを唯一防げるのは、この歯科検診だという事なのだ。

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歯科検診と同様にマーケティング監査も、大きな損害につながるミスを出す前に、重大な欠陥がないか見つけられるようにデザインされている。戦略や組織の仕組み、活動内容などに対してマーケティング監査が正しく行われれば、膨大な費用を削減することができる。また収益目標に沿ったマーケティング活動や、将来的に弊害をもたらす可能性のあるものから会社を守る防御壁にもなる得る。

より良い監査というのは、一般的に全体的な視点から始め、徐々に詳細に行っていく。そして最終的に、実施すべき優先事項がまとめられたリストを作成する。マーケティング戦略に同じ物が2つと無いように、マーケティング監査の手引きをいくつか紹介しておこう。

監査の実施時期

どのくらいの頻度でマーケティング監査を行うべきか、という通説やルールなどはないが、監査の秘訣は積極的に行うことで、危機的な管理のもとで行うものではない。もしマーケティングを軌道に乗せたいのであれば、戦略を立てるのに役立つのが監査であろう。将来的な目標を設定したら、定期的に監査を行うことで、優先事項とマーケティング戦略の足並みをそろえるのに役立つ。

ビジネスを立ち上げたばかりの起業家にとっては、監査は年1回程度にとどめたいはずだ。
逆に従業員や顧客ベースで、戦略メンバーに加えられた者にとっては、四半期に一度の監査がビジネスを成長させるのに役立つと感じるかもしれない。マーケティング戦略や市場構造をより強化するためのポイントは、監査をより頻繁に行うことである。

監査を実施する理由

従業員自身の業務やキャリアの発展に対する積極的な評価を与える方法として、昔から人事考課が使われてきた。起業家にとってマーケティング監査は、自社の製品やサービスにとっての人事考課の様なものだ。これがある事によってマイルストーンや目標を保ち続けることができる。ベンチャーやスタートアップ特有の混沌とした状況は、時に素晴らしいアイデアを見逃しがちだ。新しい見込み客という金脈を探し当て、アウトリーチの事業プランを定義したのに、それを最後までやり抜くことに失敗するほど最悪なことはない。マーケティング監査は将来、何が機能して何が機能しなかったのかを評価するのにも適用されるだろう。これは、迅速な事業転換が求められる時に役に立つはずだ。

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マーケティング監査の実施方法

1. 明確な目標を設定し、ステークホルダーを特定する

まず今回行う監査を、包括的な監査なのか、それとも機能的な監査なのかを決定づけることから始める。つまり、マーケティング活動の実態を知りたいのか、それともある特定の事案に重点を置くのか、ということだ。販促グッズやサービス、ブランドに改善が必要そうだとしても一旦置いておこう。いずれにしても目標設定を高く持つことが、次に行うべき優先順位を明確にすることに繋がる。またこの目標は、CEOや営業チーム、デザイナー、コンサルタント、顧客などといったステークホルダーから、誰が監査に関わるべきかを特定することにもなる。彼らは監査の一翼を担っており、監査そのものを監督する立場でもあるのだ。

2. 調査とデータ収集を実施

このステップは最も時間がかかる傾向にあるが、業界内の競合相手やマクロなトレンドへの対処は、最も利益につながることである。監査は、時にターゲットとしている市場での重大なギャップを特定するのに役立つ。ドミノ・ピザの話を例に挙げよう。1970年代、ドミノ・ピザは宅配ピザ業界において、単なる二流企業にすぎなかった。しかし、CEOのTom Monaghanは、業界全体でピザの宅配時間は不規則で曖昧であるということに気づき、「焼き立てのピザを30分以内にお届けする」というシステムを確立。その結果、ドミノ・ピザは世界70ヵ国に1万店舗まで拡大した。

業界や競合を綿密に調査したなら、次は自社内に目を向けるタイミングだ。戦略、予算、支持者、製品、目標、そして追跡や測定をするためのツールを評価しよう。ここまで来たら、社是、ブランドガイドライン、業界レポート(ホワイトペーパー)、Webサイト、ブログ、ソーシャルメディアといった、コミュニケーションのための販売促進グッズやプラットフォームについての調査を客観的に進め、それぞれについて適切なアウトプットや測定基準を集める。これがあなたの初めての監査であれば、各戦略についてKPI(主要パフォーマンス指標)を定めるのに時間を費やしたくなるかもしれない。売上高を決定づけているのは、ソーシャルメディアのトラフィックとWebサイトのコンバージョンレートのどちらなのか? 自分のビジネスにあった分析に落とし込もう。その年の流行などは取り入れなくて大丈夫だ。チャネルや戦術をトラッキングするためのツールを考慮する事を忘れずに。定量的な指標をより有意義にするために、ブランド資産価値の調査などを検討すると、よりデータに深みが出せるだろう。

3. 情報の整理と分析

次に手元にある情報の取捨選択を行い、定量データと定性データの両方を利用して各々のマーケティングを評価する。例えば、ランディングページのトラフィックや直帰率がどのように変化したのかをGoogle Analyticsを使ってチェックを行いながら、技術面(SEO、ページの表示速度、ブラウザキャッシング)と内容(デザイン、コピー、UX/UI)の両方からWebサイトを評価するのだ。その結果、データパターンが今すぐ改善が必要との値を示していても、業界の基準値は必ずチェックしよう。

手元にあるツール、戦略、そしてキャンペーンが、どのような効率で全体のビジネス目標に対し影響するか考慮するのだ。

4. 提言と次へのステップ

マーケティング監査をレポートする段階で大事なことは、中立的な観点からアプローチすることである。

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CBOがマーケティング監査を容認

業界に関する自分の知識と、会社の目標に合致したデータ、双方に基づいた提言が必要だ。そして短期で成果が出る計画と長期にわたる継続的な成長に向けた計画、その2つの方面からのアプローチを示すのだ。優先順位をつけた次へのステップを示すことも忘れない。最後に、データ、分析、提言を内部的に精査し、また各監査が会社全体として良き学習機会になる様心がけよう。