読み始めたら止まらない!デザイナーは絶対好きになる本/小説まとめ

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ニューヨーク在住。
ブランディング、タイポグラフィー、デザイン史などについて執筆。

技術や教訓、トレンド分析などデザイナーにとって参考になる素晴らしい本をご紹介。

1. デザイナーが主人公の小説

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小説の主人公として最適なのはいつの時代もデザイナーで、特に冴えないタイプのデザイナーが話を面白くする。Stan Barstow著の『Kind of Loving』(1960年)やマイケル・シェイボン著の『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』(2000年)では、それぞれ20世紀半ばのアメリカとイギリスが舞台となっている。

最近の本では、近年の不況の影響を受け、仕方なく本屋で働くWebデザイナーを主人公にしたロビン・スローン著の『ペナンブラ氏の24時間書店』(2013)が面白い。

2. アートの世界

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アートの世界はいつも騒がしい。特にアンディ・ウォーホル著の『ポッピズム』(1980)に描かれているようにスウィングしていた1960年代や、Rachel Kushner著の『The Flamethrowers』(2013)に描かれたキラキラした1970年代のニューヨーク、あるいはミシェル・ウエルベックが『地図と領土』(2010)で素晴らしく風刺した、ポストパンク時代と呼ばれる1990年代のロンドンは激動の時代だった。

3. チップ・キッド

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ブックデザイナーとして有名なチップ・キッドは、Random House出版の本のカバーを多く手掛けている。ある日、自らも執筆に挑戦することを決意し出版したのが、デザイン学校が舞台の『The Cheese Monkeys』(2001)とその続編でデザイン学校卒業後を描いている『The Learners』(2008)である。

4. アーティストが主人公の小説

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レナータ・アドラー著の『スピードボート』(1976)やカート・ヴォネガット著の『Bluebeard』(1987)、マーガレット・アトウッド著の『Cat’s Eye』(1988)は、それぞれスタイルが違うものの、アーティストを主人公にした素晴らしい内容の作品だ。

5. ダニエル・クロウズ

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1990年代初めから活動しているカリフォルニア在住のイラストレーターのダニエル・クロウズは、面白いだけでなく、哲学的で考えさせられる素晴らしいグラフィックノベルのシリーズをプロデュースしている。彼の作品ベスト3は『Pussey!』(1995)、『ゴーストワールド
』(1997)、『ザ・デス・レイ』(2011)だ。

6.最高の回想録

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小説家のウラジーミル・ナボコフや、政治評論家で小説家のゴア・ヴィダル、ロックミュージシャンのパティ・スミスらのように素晴らしいアーティストの話は本人から直接聞きたくなる。そんな思いに答えてくれるのが、彼らの最高の回想録である『記憶よ、語れ』(1951)、『Palimpsest』(1995)、そして『ジャスト・キッズ』(2010)だ。

7. スティーブ・ジョブズ

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アップルの前CEOであった故スティーブ・ジョブズを題材にした本や映画は、ちょっとした家内産業になってしまった。理由は、彼の人を動かす力と今では一大産業となった技術分野の台頭に果てしない可能性をもたらし影響を与える続ける彼の生き様にある。

そんな彼を知るのに良い本が、ウォルター・アイザックソン著の公式の伝記『スティーブ・ジョブズ』(2011)と、彼の仕事以外での生きざまに焦点を当てたリック・テッツェリとブレント・シュレンダー共著の『スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで』(2015)の2作品だ。

8. 読み始めたら止まらない本

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ダン・ブラウン著の『ダ・ヴィンチ・コード』(2003)を娯楽本と軽蔑してはいけない。トレイシー シュヴァリエ著の『真珠の耳飾りの少女』(1999)や、ピューリッツァー賞受賞作品であるドナ・タート著の『ゴールドフィンチ』(2013)なども同様に、読み始めたらやめられないアートに関する本だ。

9. 偉大なデザイナーたち

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Milton Glaser: Graphic Design』(1973)や、『Tibor Kalman, Perverse Optimist』(1998)、『The Vignelli Canon』(2010)は、「デザイナーの歴史」というジャンルに入る作品だ。これらの本は、20世紀の偉大なデザイナーたちの人生や作品について語っているが、典型的なデザイナー伝記と比較すると語り口調はユーモアのある楽しく読める自叙伝といった感じだ。

10. 巨匠

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1500年に生まれ1571年に亡くなったルネッサンス期の彫刻家ベンヴェヌート・チェッリーニは奔放な人生を歩んだ。1558年に出版された彼の自伝は、かなり刺激の強い描写が多い。アーヴィング・ストーンも素晴らしい作家で、ゴッホやミケランジェロの伝記小説『炎の人ゴッホ』(1934)や『ミケランジェロの生涯―苦悩と歓喜』(1961)は、読者を芸術界の巨匠の世界に引き込む作品である。

11. ビジュアル作家

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刺激的かつ具体的な描写によって、内容を映像として想像できるよう書かれた本はたくさんある。その中でも期待を裏切らないのはヴァージニア・ウルフ著の『ダロウェイ夫人』(1925)や
アラン・ロブ=グリエ著の『覗くひと』(1955)、
イタロ・カルヴィーノ著の『見えない都市』(1972)、W.G. ゼーバルトの描く『移民たち』(1992)だろう。


みなさんのおすすめも是非聞かせてほしい。