デザイナーはアジャイルの優れたリーダーになれる。その3つの理由とは?

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アジャイルな製品開発プロセスを行うには多くの難題があるが、その中でも「誰がスクラムチームを率いるか?」という問題はあまり議論されてきていない。そもそもアジャイルチームではそれぞれのメンバーがマネジメントスキルを持っているため、スクラムマスターもプロジェクトマネージャーもポジションが曖昧になってしまう。

しかし、まだ活用されていない人材がチームには埋もれている。デザイナーだ。彼らの持つ「代弁力」「共感力」「ファシリテーションスキル」が活かされれば、デザイナーはアジャイルチームの優れたリーダーになれるのだ。その3つの能力を紹介していこう。

1. 代弁力

デザイナーは、アジャイルのプロセスと同様に、仕事の工程を繰り返すことによって改善を重ねる方法で仕事を行っている。彼らは、ビジネスと顧客のフィードバックに基づいてUXを作り上げ、それに少しずつ磨きをかけていく。そうして組織のリーダーとなったデザイナーには、デザイン部門内および他部門とのコンセンサスを得るという任務が課せられる。

彼らは顧客の代弁者となり、チームが顧客の立場に立って共感し考えるように促す。顧客価値が第一優先として議論がなされる時、プロダクトストラテジーとスコープクリープについての話がおざなりになることはよくあるが、デザイナーならうまく対処できる。彼らは主観的に選んだように見えるデザインについて、関係者・クライアント・開発者、そして組織幹部に対し論理的に説明してきているため、この点に関する独特の技術をも身に着けている。

2. 共感力

進行中のプロジェクトについて顧客からもらうフィードバックは、最も有効なフィードバックの1つだ(「契約交渉よりも顧客との協調を」参照)。フィードバックをもらうことによって、よりチームが顧客の気持ちに立ち、共感することができる。デザイナーは、リサーチとユーザビリティテストのプロセスに長年携わっている。つまり、デザイナーは顧客側の考えについて詳しく、その知識は他のメンバーに共有されるべきものである。

3. ファシリテーションスキル

会議のファシリテーションも、トップデザイナーが持つスキルの1つである。インハウスデザインチームと同様に多くの代理店でも、デザイナーのみでブレーンストーミングがよく行われている。そうした場においても、議論が活発になることは多い。デザインリーダーはチームに、自由な発想でアイデアを膨らませる拡散的思考、そしてアイデアをまとめ全員を納得させるための収束的思考をするようにファシリテートすることができるのだ。

このようなスキルは、機能横断型のアジャイルチームで仕事をする際に大変役立つものだ。デザイナーが顧客に共感していることは、デザイナー以外の同僚にも広がる。基本スキルが専門用語とセットで伝わることによって、メンバーが同じ意識と視点を持って製品開発に取り組めるような、団結したチームになれるのである。


あなたの組織でも有能なデザイナーを探し出し、スクラムチームを任せてみてほしい。彼らの持つ研ぎ澄まされた3つの能力を活用すれば、チームは最適な方法で改善を繰り返し、課題を解決することができるだろう。

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