デジタルの「美しさ」と「機能性」の関係

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グッドデザインは美しい
製品は、日々それを使う人の個性、健康や暮らしの質にまで影響をおよぼすのだから、製品の実用性に美しさが加わることが欠かせない。しかしながら、ていねいに仕上げられたものだけが美しい。 — Dieter Rams氏「グッドデザインの10の原則」

外見が素敵でも性格がひどい人に会うことがあるだろう。そういう人は話せば話すほど魅力が無くなっていく。反対に、外見がひどくても、話しているうちに魅力的に見えてくる人もいる。人の外見は性格によって変わって見えてくるものなのだ。

長く使っているうちに、プロダクトデザインはその使いやすさによって感じ方が変わってくる。機能を果たせない美しいプロダクトは、機能を果たすが外見のひどいプロダクトよりも輝きを早く失う。

美しいプロダクトが使いずらくてイライラさせることがあるように、外見のひどいプロダクトが便利なこともある。craigslistredditは、Dribbbleでのほとんどの人気作品よりも良くデザインされている。

アナログよりもデジタルの方が「美しさ」は重要になる。デジタルは心理的要素の比重が大きく、スクリーンと目は別として、最終的にユーザーの感覚に直結することになる。テクスチャーや重さなど身体感覚を持たせるアナログとは違って、Webサイトやアプリは最初からその画面だけで作られる。デジタルは抽象的だからこそ、「美しさ」と「機能性」は切っても切り離せないのだ。

銀行のアプリを安全性を感じさせるために作るならば、安全そうに見えなければいけない。ボタンが重要なデータを消去するためのものならば、そのように見えなければいけない。Webサイトがユーザーに気軽に使ってもらうためのものならば、そのように見えなければいけない。

デジタルプロダクトの機能性は美しさと直結する。美しさは機能を伝えるチャンネルであるから、グッドデザインは美しいのだ。目的がなんであれ、外見をよく考えて作ることによって間違いなくその目的は成し遂げられる。

craigslistやredditは美しくないわけではないし、外見が考えられてないわけでもない。事実、それらは機能を完璧に果たしている。どちらも、「民主的、コンテンツ重視、ユーザー主導」というパーソナリティーを表す美しさをもっている。デフォルトと思わせる真っさらな外見をもっている。

美しさのない機能性はエンジニアリングであり、機能性のない美しさはアートだ。
我々はデザインをする。


この記事はシリーズ「グッドデザインの10の原則: デジタルプロダクトへの展開」(全10回)のPt.3です。
Pt.1, Pt.2, Pt.3, Pt.4, Pt.5, Pt.6, Pt.7, Pt.8, Pt.9

「グッドデザインの10の原則」はDieter Rams氏と長年の連携をもつVitsœのWebサイトで発表された。原則はクリエイティブコモンズラインセンスのもと、ここで見ることができる。