マーケティングに求められるペルソナの構築方法

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Drip(マーケティングオートメーションプラットフォーム)

顧客の人物像を設定しないマーケティングは、暗闇の中でやみくもに矢を放ち、少なくとも1本は命中するだろうと期待するようなものだ。それはまるでナンバーズゲームだ。1本を命中させるために、数多くの矢が的を外しているが、広告を制作して市場に送り出すためには多くの時間と費用がかかっている。

自分のメッセージに誰も耳を貸さないはずはないと、確信できるだろうか。最も効果的なマーケティングは、特定のターゲットに慎重に的を絞ることだ。あらかじめ、対象が確実に分かっていれば、クライアントを見つけ出し、求めるものを提供することはもっと簡単になる。

解決策の1つとして挙げられるのは、顧客の人物像を詳細に構築することだ。これは、心理的なターゲティングシステムという、ある種のツールである。このツールは、理想的な顧客が誰であるかを調べ、理解する上で役立つものであり、それによってマーケティングはより効率的になり、成功を収められる。手掛けるビジネスに応じて、人物像を1つだけ、あるいは必要に応じてより多くの人物像を構築することが可能である。

本稿では、人物像を構築するために必要な5つのステップを紹介する。

1:属性を知る

有用な顧客プロファイルを作成する上で、正確な人口統計学的属性を明らかにすることは、最初のステップである。ターゲットとなる市場のデータを収集する有用性は、大企業のマーケティングチームがよく知っていることであり、小規模な事業においても同じように重要である。

自身のビジネスにおける、典型的な顧客の基本的な詳細事項を明らかにしよう。住まい、年齢、収入、性別、職業、購買習慣、目的などである。つまり、その人物は誰なのか、何を求めているのかということだ。対象はエンドユーザーなのか、それとも単なるバイヤーなのか。企業なのか、個人なのか。

常識と直感は非常に有益であるが、何らかの確固とした厳然たる事実を手に入れたいと思うだろう。価値あるインサイトを集める上で、以下のようなリソースが利用できる。

  • Facebookインサイト: 誰がFacebookの自分のビジネスのページに興味を持っているのか、一番興味を持っているのはどんな投稿かということについて豊富なデータを提供。

  • Googleアナリティクス: 多くのオンライン起業家にとって大変頼りになるリソース。しかし、情報量が膨大なので、ちょっと手強いかもしれない。Shopifyに上手な利用方法の解説がある。

  • アメリカ合衆国国勢調査局: もう1つの標準的な人口統計学的属性のデータソース。

  • YouGov: 有意義なインサイト。

これに替わる手段、あるいは追加的な方法として、自分自身でデータを収集するという方法がある。

自分で調査を実施し、サイトの訪問者が調査事項に答えてくれるようにインセンティブを提供する。こうして、自分のサイトの訪問者に関するデータを収集する。

1対1のインタビューを実施する方法もある。これは、真実を知る上で非常に役に立つ。事前に質問リストを作成し、インタビュー対象者への感謝を忘れないようにしよう。

2:人物像になりきって考える

人口統計学的属性を理解することは、最初の一歩に過ぎない。本当に意味のある人物像を構築するためには、データの背後にある、購買者の人物像を理解することが欠かせない。こうした種類の情報は、心理学的属性と呼ばれることがある。

人口統計学的属性が、定量化や測定が可能で事実に基づいているとすれば、心理学的属性はより主観的であり、自由な解釈が可能である。クライアントが何を考え、感じているかを知ることが、その目的である。そのためには、次のような質問を自問自答してみると良い。さらに可能であれば、何人かの意見を聞くことをお勧めする。

  1. クライアントが抱く希望、価値を置くもの、期待するもの、夢、心から望むものは何か。

  2. クライアントが嫌いなもの、避けたいもの、恐れるもの、嫌悪感を抱くものは何か。

  3. クライアントがより興味を持つものは、価格か、それとも価値か。例えば、クライアントが求めるのは、高純度のカカオで作ったスイスチョコレートなのか、お手頃価格のキャンディなのか。

  4. クライアントはどこで買い物をするのか。何を読むのか。いつネットに接続するのか。影響を受けるものは何か。

もし本当に顧客の身になって考えることができれば、マーケティングを行う際、常に、対象にどのようにアプローチすればいいのか分かるだろう。そして最後に、自分自身に質問してみよう。それは、クライアントが求めるものを提供し、嫌いなものを避けられるように手助けするにはどうすればいいのか、ということである。

3:詳細なプロフィールを作成する

基礎的な調査は以上である。ここからは、明らかになったことを意義ある方法でまとめていく段階となる。

クライアントに対して、一度、名前と顔を与えることにより、コミュニケーションの方法が変わる。顧客はもはや、あいまいで不特定な存在ではなくなる。クライアントを、より実体のある人物として考え始めるのだ。

名前を選び写真を使って、顧客に関する情報のキーとなる項目を一覧表にしてみよう。以下に例を挙げる。


ビクトリア

ファッションブロガーで小規模なビジネスのオーナー

人口統計学的属性
年齢:24歳
住まい:ニューヨーク
現状:現在は独身で子どもはいない
職業階層:幹部補佐/起業家

心理学的属性
好きなもの:ファッション、色彩、バイタリティ、人間
目標:オンラインビジネスで成功すること
夢:ミラノで今よりもっと自由な時間を過ごすこと
嫌いなもの:遅れること、中断時間、行列、醜いことまたは汚いこと、粗暴な人間

技術/ソフトウェアの熟達度
インターネットとソーシャルメディアのプロフェッショナルだが、プログラミングはできない。表計算ソフトは嫌いである。

経歴
ビクトリアは独身生活を楽しんでおり、自身のキャリアのために一生懸命に働いている。将来、ミラノでコーヒーを飲みながら、携帯電話やラップトップでオンラインブティックを経営したいと思っている。
良い相手に巡り合えれば、今後5年以内に子どもを持ちたいと思っている。スタイルや評判に気を遣っている。彼女の強みはネットワーク関連、様々なものごとを組織すること、そしてデザインである。人と争っている時間はなく、問題解決は得意ではない。


人物像を作成する際には、チームのメンバー全員を巻き込もう。そうすれば、メンバーの足並みがそろうし、この試みで得られる利益をあますことなく享受できる。

様々な顧客の人物像を印刷して、どこかに貼り出すのも良いアイデアだ。それを見れば、常に思い出す手助けになる。

4:直接対話する

ターゲットが誰なのかが分かれば、見込みのあるクライアントを見つけ出すのは容易になるので、クライアントと直接話してみよう。もしマーケティングのeメールを送る場合は、作成した人物像に確実に訴えかけるような言葉使いをしよう。

人物像を適切に調査しておけば、対象者に送るeメールの内容を作成することは容易になる。マーケティングの対象を絞り込み、自分が提供するものを必要とするであろう、実在する人々の特定のニーズに対して、サービスを提供するのが容易となる。

この技術を、eメールでメッセージを送ることにとどまらず、さらに発展的に利用することが可能だ。製品開発の強化、Webページのデザインの見直し、市場における新たなチャンスの発見など、その他様々なことに技術を利用できる。

構築した人物像の興味と感情が、何によって引き起こされるのかということに、直接焦点を当ててみよう。購買を決定する際には、現実的な要因と感情的な要因の両方が関わっている、という事実がある。既に手頃な価格を提供しているのにもかかわらず、なかなか売れないとしたら、それは単に、正しい感情的なスイッチを押していないことが原因かもしれない。

5:プロフィールを定期的に更新し続ける

人々が変化するように、ビジネスもまた変化する。さらに、誰もが個性を持っているので、1人(もしくは5人)の人物像は、それぞれの顧客を完全に定義できているわけではない。新たなことを学ぶたびに、人物像のプロフィールを繰り返し改善し、調整し続けなければいけない。

例えば、月に1回人物像を更新するように、カレンダーにリマインダーを設定することは、やってみる価値があるかもしれない。更新するたびに、各人物像に対する理解が少しずつ深まるだろう。あるいは、他の人物像をターゲットにしようと考えるかもしれない。

まとめ

あなたは、現実に生活を送り、リアルな感情を持つ実在の人物を対象にセールスを行っている。製品がどんなに素晴らしくても、人々が自分にとって特別な意味があると思わなければ、マーケティングは効果を上げていない。

人々を理解することから始めて、心理や考えを把握しよう。そうすれば、顧客は単なる数値やeメールアドレスなどよりもっと意味のあるものなるはずだ。顧客に名前と顔を与えよう。そして、顧客に関してあらゆることを理解しよう。

顧客の習慣、好きなもの、嫌いなものを研究し、何を考え、何を感じているのかを理解するよう努力しよう。重要な詳細事項を書き込んだプロフィールを作成し、オフィスに貼り出そう。そしてマーケティングの際には、その人物と直接話してみよう。