プロダクトとして自走するためのビジネスモデルの作り方

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アプリやサービスの新規開発において、ユーザーを増やすことはできても、広告に頼らずに収益を上げるビジネスモデルを作ることが最も難しい。Instagramのように、世界中でユーザーを獲得したのちに莫大な額で買収される例もあるが、プロダクトとして自走するためのビジネスモデルの作り方を、IDEOのビジネスデザイナーRohini Vibha氏が考える。(前編)

Instagramを普段の生活でどのくらい使うだろうか?
私のFacebookの友達に聞いてみたところ、ほとんどの人は1日に1回以上使っているようだ。

2015年7月に行ったFacebookの友達への調査より

Instagramを手放せなくなるのは、それがフォトシェアリングの欲望を満たしてくれるからだ。リリースされる前は、Instagramはモックアップを作り、テストし、ユーザーからデータを集め、学んだことを生かしていくことによって、その機能を磨き上げていった。その中でも最も大きな出来事はチェックインアプリからフォトシェアリングへの進化であった。

では、もしInstagramgが有料になったらどれくらいの人がお金を払うだろう?

答えはほぼ0だ。
私の調査では1日にInstagramを複数回使うユーザーの90%以上はお金を払わないということだった。びっくりするだろう?普段の生活に手放せなくなったサービスにも関わらず、有料であればあっさりと使わなくなってしまうのだ。

ユーザーの使用頻度別に、有料版のInstagramを使おうと思う割合

これが2012年にFacebookに10億ドルで買収されたInstagramの問題点だ。よく知られているように、Instagramはその機能を最大限に向上させながら、利益を上げることには注力しなかった。現在のInstagramは広告を持っているが、買収された時点では3000万ダウンロードされていたにもかかわらず、収益はなかったのだ。

Instagramは例外中の例外であって、新規ビジネスにとって、何百万人ものユーザーを抱えながら収益が無いというのは大きな問題だ。他の会社に買収されることを目標とする道もあるが、可能性は低くリスクの高いギャンブルだ。プロダクトとして収益をあげられなければ自走ビジネスとは言えない。そこで、効果的なビジネスモデルを作ることが必要となってくる。

検証によるビジネスモデルの進化例


つくり、テストして検証する: ビジネスモデル検証とプロダクトリリースは互いに循環して進化していく

プロダクトと同じように、ビジネスモデルも市場で早くテストされなければいけない。かといって、そのテストのために開発を止める必要はない。実際、社会に認知させて機能を向上させるためにビジネスモデルをテストする会社から、優れたプロダクトが発表されてきている。その良い例となるClassPassとGrouponをご紹介しよう。

事例1: ClassPass

ビジネスモデル 1
フィットネスメンバーシップサービスのClassPassは、当初は様々なスタジオのクラスをネットで予約できるサービスであり、Web上でクラスにお金を払うと収益が出る仕組みだった。

アクセスは多かったのだが、ほとんどの人はクラスを予約しなかった。彼らは情報を調べるだけで、サイト上では予約をしなかったのだ。もしClassPassがそのまま進化していたら、フィットネスクラスのYelpバージョンのようになっていただろう。

ビジネスモデル 2
代わりに、チームはフィードバックをもとに新しいビジネスをモデルを試した。彼らは1ヶ月、10回分のクラスを受講できる49ドルのパスを紹介したのだ。目標はその月末までに気に入ったスタジオのメンバーになってもらうことだった。しかし、意外なことに時間が経過してもユーザーは会員にはならず、新たにまた1ヶ月分のパスを購入した。

ビジネスモデル 3
チームはこのフィードバックを使ってプロダクトとビジネスモデルを変更し、月99ドルで自分の住む町の提携フィットネスクラブであれば、無制限にクラスを受講できるという現在のサービスになった。ClassPassはまだこのモデルによる長期利益と純利益を検証しているが、プロダクトとビジネスモデルにおける実験と方向転換の2つのアプローチがビジネスを加速成長させたのだ。

事例2: Groupon


Grouponの毎日のクーポンモデル

業界からの噂はともかく、Grouponはそのビジネスモデルと継続的実験によって、依然として話題になるサービスだ。

ビジネスモデル 1
最初はGrouponは使用可能期間と店舗に制限があるクーポンを1日に1つ提供していた。会社はオフシーズン中でも店舗への来客を集めることができたが、このビジネスモデルは顧客にとっては高い障害であった。

ビジネスモデル 2
これらの制限を解除し、クーポン購入者の人数によっては元を取り戻せるようにした。これはGrouponの売り上げには良い影響を与えたが、店舗ではピークシーズンに常連客以外が押し寄せ、悪影響を与えてしまった。

現在、GrouponはEC、旅行、そしてフードデリバリーなどの分野でも実験を続けている。


後編「ユーザーに愛されるビジネスモデルを作るための3つのポイント」はコチラ