ユーザーに愛されるビジネスモデルを作るための3つのポイント

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アプリやサービスの新規開発において、ユーザーを増やすことはできても、広告に頼らずに収益を上げるビジネスモデルを作ることが最も難しい。Instagramのように、世界中でユーザーを獲得したのちに莫大な額で買収される例もあるが、プロダクトとして自走するためのビジネスモデルの作り方を、IDEOのビジネスデザイナーRohini Vibha氏が考える。(後編)

前編「プロダクトとして自走するためのビジネスモデルの作り方」はコチラ

ビジネスモデルの検証


Business Model Canvas(動画)

ビジネスモデルキャンバスはプロダクトのアイデアをどのように組み立てるかを視覚的に考えるシンプルなツールだ。1枚分考えるだけでも役立つが、本格的な検証段階であれば10個の異なるアイデアで書いてほしい。プロダクト提供にあたって考えらるビジネスへのアプローチはなんだろう?ここからそれぞれのビジネスモデルの可能性を検証することができる。

ユーザーに愛されるビジネスモデルを作るための3つのポイント

1. 価格をつける(初期段階向け)

NY Timesのような100年以上の歴史あるブランドでなければ、今まで無料だったものを突然有料にすることは不可能だ。かといって、最初から無料で始めることは、Instagramのように有料にするチャンスを捨ててしまうようなものだ。結果としてビジネスとして組み立てるために強力なフリーミアムモデルかサードパーティーに頼らざるをえなくなってしまう。そうなりたくなければ、初期段階のうちに価格を見えるようにしておくのがよい。

Facebookに買収される前、WhatsAppは1年間の無料お試し期間のあと、1年で1ドルの課金を設けた。将来的な有料化について早期に知らせておくことで、WhatsAppを使うことへの抵抗をおさえ、1年後にはたやすくリニューアルすることができたのだ。


WhatsAppの支払いオプション

同じようなアプローチで、ロックバンドのRadioheadは2007年に「In Rainbows」というアルバムを、自分で値段を決められるフリーダウンロードという形でリリースした。後に「In Rainbows」はバンド史上最大のセールスを記録したと発表された。

正しいタイミングであれば、人はお金を払う。ユーザーがお金を払おうと思わせる価値提案があれば、ビジネスモデルを改善することができるのだ。

2. 複数のビジネスモデルを競合させる(既存プロダクト向け)

ビジネスモデルを磨くためにはユーザーの声を聞くことが重要だ。求めるビジネスのゴールを見つけたら、それを成し遂げる複数の異なるモデルを考える。オンラインか店頭であるべきか? 初回無料にするべきか、月々定額制にするべきか? それらを競合させる。仮説として最良のモデルがあるならば、ユーザーをその方向へ導く。


Headspaceの支払いオプション

考えすぎて分からなくなってしまったら、Headspaceという瞑想ソフトを見てみるとよい。現在、1回限りのものから永久的なものまで、段階的に4つの異なる選択肢を並べている。どのモデルを選んでも、同じプロダクトを手に入れられる。この方法は1つのモデルに決める前に、ユーザーのリアルな反応を見ることができる。

3. ビジネスモデルから考える(市場開拓向け)

市場調査は需要がないところでのリソースの無駄遣いを防いでくれる。ランディングページとクラウドファンディングプラットフォームは、あれこれと試す前に価値提案をテストするための一般的な手法となった。

ランディングページはベータ版としてのサインアップページやSNSへの導入として使われることが多く、ユーザーの追跡、分析、促進、さらに今後のリサーチやベータ招待のための連絡先を収集することができる。

クラウドファンディングキャンペーンは関心、顧客基盤、市場機会、投資意欲を測ることができる。サービスのデザインやキャンペーンのマーケティングは低リスク/小規模でビジネスを試すのに効果的だ。


Everlaneはカナダへの進出をクラウドファンドした

2013年、アメリカ発のEverlaneはカナダでの需要を検証するためにクラウドファンディングキャンペーンをローンチした。その会社はクラウドファンディングのゴールを設定し、達成されれば北部へ拡大するプランを立てた。これは特に資金を集めるためではなく、市場需要をテストするためのものだ。資金提供者はEverlaneクレジットのような、提供金と同価値のサービスを受け、Everlaneは実際の市場でさらなるテストができる。

たくさんの小売業者はチャンスがあるかどうかもよく分からずに新しい市場に入ってくる。リーンビジネスを経営している新規の会社として、今後については慎重に賢く行動したい。 — Everlane社コメント

Everlaneはその後10万ドルのファンド目標を超え、カナダでの市場機会の仮説を実証しローンチした。

ビジネスの全体像を考える

この検証のプロセスはプロダクト開発と関わりがあるが、それに制限されているわけではない。Build-Measure-Learn(構築-計測-学習)サイクルはビジネス全体のエコシステムをテストし検証するのに効果的だ。

ユーザーフローを検証しコピーするように、まとまっていなくても様々なビジネスモデルを試すことだ。プロダクトの実験とともに、早いペースで何回も検証するのだ。でなければ、ゆくゆくは損をすることになってしまう。

プロダクトだけでなく、ユーザーに愛されるビジネスをあなたはどのように組み立てるだろうか?

Thanks to Misa Misono.


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