素人でも出来るプロモーション動画撮影のポイント

Source

プロモーション動画は、大体5分以内で会社が何をしているかについて伝える解説動画だ。通常は会社のホームページに掲載され、サイトのエンゲージメント向上に役立つ。誰でも長い文章を読むより、動画を見て知る方を好むからだ。

shooting a video in a kitchen
Unsplash

会社のWebサイトに掲載するためのプロモーション動画を撮影するなんて、たとえ短いものでも費用がかさむのでは? と思うだろう。しかし必ずしもそうではない。数千ドル以下で高品質の動画を製作してくれる小さなプロダクションがたくさんある。しかし、それですら予算に見合わない場合は、自分でプロモーション動画を撮影することも可能だ。本記事では素人でも自力で作れる動画の撮影方法をご紹介しよう。

ステップ1:期待値を設定する

映像監督を雇わないのだから、テレビのコマーシャルを撮るわけではないと認識しよう。コマーシャルを撮影するには何百万ドルものコストと何百人ものスタッフが必要だ。

あなたのプロモーション動画はかなりシンプルで簡単なものになるだろうが、それは決して悪いことではない。スモールビジネスの経営者がカメラに向かって話すのはパワフルなマーケティングツールになり得る。

開き直って手作り風に誇張した動画を作るのもアリだ。楽しんで作ればいい。ちょっとわざとらしい感じにしたければそれもいいだろう。バカげた動画がバイラルにならないとも限らない。本当に本格的な動画が必要ならプロを雇うべきなのだ。

ステップ2:会社を象徴する場所で撮影する

会社を象徴する場所で撮影するといいだろう。オフィスや工場のフロア、診察室や他の場所でもいい。どのような職業にせよ、それに合った場所にするとよい。

あなたの職業に関連するアイコノグラフィ(図像)を活用すると役立つだろう。弁護士は法律書の書棚、ミュージシャンなら楽器、医者ならそれらしい道具などだ。

背景はあまりゴチャゴチャしない方がいい。あなた自身が動画の中心になるからだ。ステップ5で詳細に説明するが、背景で何か動きがあるなら、そこから離れた方が良い。ボカすことができるからだ。

shallow focus
Fir0002/Flagstaffotos

次の問題はあなたが話すかどうかだ。マーケターは長年の経験から、人間にとって一番興味深いのは別の人間だということを知っている。プロモ動画の冒頭は、あなた自身のクローズアップにするべきだ。話すからにはちゃんと声が聞こえるようにしたい。

なるべく静かな場所を探そう。本当に静かな場所だ。その場所に立ってみて、目を閉じて耳をすませてみよう。窓の外から車の騒音は聞こえるか? 冷蔵庫が稼働しているか? エアコンのブーンという音は? 

コンピュータに向かって編集作業をする時、このような騒音を処理するのは厄介だ。音をできる限り消したり、遮断したりする方法を考えよう。

最後に、照明をチェックしよう。その場所には自然光が入るか? 上からの明かりはダメだ。横からの明かりの方がいい。蛍光灯の明かりは最悪なので、切っておこう。

実際に使うカメラのレンズで、撮影場所を見回してみよう。暗ければ照明が必要だろう。明るくても多少の照明は必要だ。次の項で説明しよう。

ステップ3:最低限必要な道具をそろえる

digital camera
Unsplash

VimeoやYouTubeに投稿されることになるのだから、世界最高のカメラは必要ない。最近のカメラは高画質だから、オンラインで見るには十分だ。

アパーチャー制御

まず、アパーチャー制御。簡単に言えば、アパーチャーとはレンズからカメラへと光が通過する穴のことだ。単純なカメラでは「明るさ」と表示されているかもしれない。すべてがはっきりと見えるようにカメラの露出設定を調節しよう。もっと言えば、明るさの自動設定はオフにしておこう。撮影中に明るさが変わっていくようでは困るのだ。あとで編集できなくなる。

ズーム機能付きレンズ

次にズーム機能付きのレンズだ。「デジタルズーム」ではない。画像を拡大したり縮小したりするために接近したり離れたりする実際のガラスのピースのことだ。デジタルズームとは、イメージを切り取って引き伸ばすのと同じことだから、ひどい見た目になる。(『CSI:科学捜査班』でこう言っているが、引き延ばされた画像をハッキリさせるような「拡張」機能は存在していない

自分の使っているのがデジタルズームなのか本当のズームなのかわからなければ、簡単にチェックする方法がある。ズームイン、ズームアウトした時に実際の動きがあるかどうか見てみよう。もし動かないなら、使わない方がいい。

ラベリアマイクロフォン

lav mic
B&H Photo/Video

恐らくあなたが持っていない物で、ぜひ借りる(または買う)べきアイテムはラベリアマイクロフォンだ。カメラ内蔵のマイクでは音が拾えない。映画のセットの舞台裏の写真などで、俳優たちの頭上十数センチのあたりにモフモフしたマペット状の物を誰かが上からぶら下げているのを見たことがあるだろう。あれがマイクで、会話をはっきりと聞くためにはあのくらい近くになくてはならない。

撮影機材のレンタルショップ(ほとんどの大都市には最低1つはあるはず)をチェックして、コード付きのラベリアマイクを探してみよう。襟にクリップ式で付けられるマイクだ。自分のカメラにマイク入力があるのを確かめ、ラベリアマイクにも同じ種類のプラグがあるのを確認しよう。借りに行く時はカメラも持っていこう。プラグに刺してみて、合うかどうか確かめよう。もし合わなければ、スタッフに使い方が正しいか聞いてみよう。

照明

最後に、照明が必要だ。最も映える照明は柔らかな照明(つまり投げかけられる影がぼんやりした輪郭で、はっきりと明確なラインではないこと)だ。蛍光灯の光は通常柔らかいが、特殊フィルムを使わない限り、肌の色味や、カメラと非同期になってちらつくなど、あらゆる問題を引き起こす。

柔らかな照明を作り出す簡単で便利な方法は提灯型ライトで、基本的にこれは白熱電球の周囲を球状の紙で覆った物だ。クランプ式ライト作業用照明は大量の光を発するが強すぎてきつい。これは、薄くて白いシートを手前に吊るすことで解決できる。

窓のある場所で撮影すれば、それも光源になる。太陽の光が直接窓に差し込む時間に撮影しないように気をつけよう。 Suncalc.netで調べることができる。

ステップ4:三点照明を使う

場所を特定し、適切にセットアップし、話す内容を決めたら、照明の出番だ。

three point lighting
Wikimedia

(動かない1人の被写体に対して)最も万能で便利な照明は三点照明だ。ご存じかもしれないが、その3つの基本的な要素となるのが、キーライトフィルライトバックライトだ。

キーライトとは主となる光源だ。最も映えるアングルは被写体の顔に真っすぐ向けて、少し上を向け、真ん中からそらす。このことによって、被写体の顔のもう一方に影が生まれる。

もし窓からの光を光源とするなら、間違いなくこれがキーライトとなる。

次にフィルライトだ。今度は被写体の顔の反対側、キーライトより少し低い位置に設置する。一般的にライトが少し暗ければより美しく撮れる。光の量が調節できなければ単に後ろに少し下げよう

three point lighting with background light
Wikimedia

それからバックライトを追加する。これはヘアライトと呼ばれることもある。被写体の後方に設置し、キーライトの真向いに、同じように少し上を向けて設置しよう。こうすると被写体の周りに光の輪のようなものができ、背景から切り離される。

すべての照明が被写体に集中すれば、背景は暗く感じられるはずだが、それで大丈夫だ。視聴者には背景ではなく、話している人に集中してほしいからだ。だが暗すぎて、真っ暗な虚空に人が浮かんでいるように見えるなら、もう1つ背景に照明を追加してもいいかもしれない。低い位置に傾けて設置するといいだろう。そうすれば全体を明るくしなくても視覚的な面白さを生み出すことができる。

lighting guide
望み通りの照明を得る方法。フル解像度の画像はdigitalcameraworld.comにてDL可能。

ステップ5:場面を設定する

視聴者の注意が集中するのは、ほとんど常に画像の中央だ。また映像の最も明るい場所にも目がいく。だから背景から切り離すように被写体に光を当てるのだ。そして、もちろん、人の目は人間の顔にも引きつけられる。

だから、カメラに向かって話している時、話者を画面の中央に、並行に捕らえることをお勧めする。クローズアップ(話者の肩から頭頂部まで入る)で撮影する場合、目がちょうど中央あたりにくる。

Mr. Robot screenshot
USA Network

ミディアムショット(腰や胴体あたりから頭頂部まで)の場合は、話者の頭が中央より少し上になる。それはそれでいい。話者の頭と映像の上端部の空間があまり広いと、変な感じを与える。例として、『MR.ROBOT/ミスター・ロボット』どのストーリーでもいいので見てみよう

全身を使うのでなければ、全身を映すのはお勧めしない。ヨガのインストラクターがポーズを披露するならいいだろう。あなたが医療過誤弁護士なら、じっと動かない腰から上のショットでは間延びする。

カメラが2つあるなら、「ワイド&タイト」と呼ばれる撮影方法が一般的だ。1つのカメラをズームしてクローズアップで撮影し、もう1つのカメラは他方のカメラに物理的になるべく近づけて設置する。横でも上でも構わない。そのカメラをミディアムショット用にセットする。被写体がクローズアップ用カメラに向かって話しているなら、そんなに離れては映らないはずだ。いずれにせよ映像を確認しよう。

もしカメラの位置を離して編集に少し変化を持たせたいなら、30/30ルールを覚えておくといい。ショットからショットへ違和感なく編集するには、アングルの変化は30度まで、サイズは30パーセントまで、というルールだ。

もちろん、MTVのようなジャンプカットの手法を取り入れたいなら話は別だ。その場合はどこにカメラを置いてもいい。存分にやってほしい。

でもクレイジーなミュージックビデオのような美的センスが必要ないなら、カメラは三脚の上に設置して動かさないでおこう。手はあなたが思うほど安定していない。

被写体が話し出す前に、ハリウッドで「最終チェック」と呼ばれていることをしよう。これは、メークアップがまともで、髪型がちゃんとしているかというようなことの確認だ。すべてのコーナーを確認しよう。邪魔な物が映っているならよけておこう。植木鉢の植物が話者の頭から生えているように見えていないか? それも取り除こう。

最低でも5テイクは撮ろう。請け合ってもいいが最初の1~2回はうまくいかない。セリフをトチっても、やり直さなくてもいい。編集室では無意味だ。そうではなく、一度止めて、深呼吸したあと2センテンス分をバックアップしよう。そうすればあとで十分統合する余裕ができるはずだ。

2回きちんと最後までできたと思ったら、もう一度だけ、ふざけたバージョンを撮ってみよう。バカっぽく、大げさに、楽しんでやろう。もちろん使わないかもしれないが、何が起こるかわからない。可能性はある。

最後に、カメラに向かって話さない分の映像を撮ろう。ダンスインストラクターなら、ダンスレッスン全体を撮影する。グラフィックデザイナーなら仕事場にカメラを設置してあなたが何かシャレたデザインをしているところを撮影しよう。

このプロモーション動画の中で誰かがカメラに向かって話しているわけではない場面の数を見てみよう。

このように動画の最中にカットアウェイを入れられる。3分間ぶっ続けのスピーチは45秒でダレる。視覚的に話している内容を表現できれば、もっといい。

あなたにもできる!

自分でプロモーション動画を撮影してプロが作ったように見せることはできる。お金もさほどかからない。必要なのは忍耐集中力だけだ。スピルバーグの映画のようにはならないだろうが、iPhoneで撮った自撮り写真よりよっぽどいいはずだ。


▼99designsのデザイナーブログをもっと読みたい方はこちらからデザイナー登録!
http://99designs.jp/designers