Webのデザインは退屈になってしまったのだろうか?

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Hologram 創設者
GOG.com シニアデザイナー

紙のデザインとの比較で紐解く、Webデザインがつまらなくなってしまった理由とは?

最近TNWで、昨今のWebデザインがいかに退屈かについて書かれたOwen Wiliams氏の記事を読んだ。ある点において、彼は全く正しい。Webサイトは数年前には今より多様で派手なものが多く、正気を疑うようなものさえあった。でも、かといって昔の方が良かったのだろうか?

そもそも、今のWebデザインは退屈なのか?これは、株価でいうダブルボトムのようなものだ。実際には、今のWebデザインは昔とは違っていて、もっと成熟しているのだ。

しばらくは同じ状況が続いていたが、デザイナーの立場から、やっと分かってきたことがある。私たちはメディアとの長い経験で、いろいろと間違いを犯し(その間違いについてはTobias van Schneider氏の書いた素晴らしい記事がある)、自分たちの間違いから学んだのだ。

Owen氏は記事に、インターネットがクリエイティビティに満ち、誰もが目立つWebサイトに憧れた時代があったと書いている。確かにそうだ。でも、それはデザインではなくアートだったのだ。例えば、Owen氏がデザインしたナイキ・エアのWebサイトは、まるで美しい悪夢だ。使いにくいし、自分が今どこにいて、どこに行けるのか全くわからない。

私が言いたいのは、サイトの使いやすさだけではない。

普通、ユーザーがWebサイトを訪れるのは、そのサイトの技術面、ビジュアル面の効果を見たいからではない。何らかの目的を持ってそこへを訪れるのだ。

暇をつぶしたり、くつろいだりするのなら、キーボードを押すたびに背景が変わるWebサイトを見るより他に、もっといいやり方があるだろう。ナイキのWebサイトは確かに印象的ではあるが、製品についての情報や、価値のあることを学びたい人には向いているとは言えない。

そしてまた、別の問題もある。今のWebサイトは、どれもこれも、ほとんど同じに見えるのだ。みんな陳腐な手法を真似しているだけだ。正直になろう。成熟とは退屈ではない。紙のデザインはWebデザインよりずっと成熟しているけれど、もっと多様だ。

ではなぜ、今のWebサイトが退屈なのか?ワークフローの欠陥や、技術的・予算的な制限などに対して文句を言うのは簡単だし、ユーザには慣れ親しんだパターンがあって、それを踏襲するのが最良の手段だという言い分もある。手堅い手法を作り上げたから、いろいろ試すのは無駄だとか言う人もいるだろう。しかし、考えてほしい。その言い訳は、今のWebデザインの90%が退屈だということの理由になっていない。

今、Webデザインは退屈なのではない。デザイナーが怠けているだけなのだ。

手堅い手法を使っているし、今の仕事のやり方は安くて効率的だから、このままでいいと言うのは簡単だ。「ユーザはこれを期待している」なんてでたらめだ。クリエイティブであることは、オリジナルのSpace Jam Webサイトのような、ホラーのようにデザインを作ることではない。

確かに、クリエイティブであることは簡単ではない。私自身も苦労することはある。良い考えがちっとも浮かばないときもあれば、クライアントが悩みの種になることもある。しかし、努力は必要だ。

紙のデザインの世界でTimes New Romanを今風でエレガントに見せることができるのなら、コンテンツを犠牲にすることなくユーザの慣れ親しんだパターンを守りながら、Webデザインをもっとクリエイティブにする方法は必ずある。