最新のテクノロジーだけでは商品になれない!

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L’OREM編集者

「デザイン」と「マーケティング」をかけ合わせ、スタートアップを進化させるプログラム「HEART CATCH 2015」が2015年12月12日に行われた。各分野のスペシャリストから2ヶ月間のメンタリングを経たスタートアップ5社のうち、Neurospaceのプロダクトから感じられた「技術をプロダクトに変えるための3つのポイント」をご紹介する。

スタートアップにおいて、最新の技術がそのまま「プロダクト」になると勘違いしてはいけない。技術に先走るのではなく、念入りなリサーチを基に適切なターゲットユーザーを設定し、プロダクトを設計することが必要となる。

「デザイン」と「マーケティング」をかけ合わせ、スタートアップを進化させるプログラム「HEART CATCH 2015」(2015年12月12日開催)では、Neurospaceが脳波計測ナイトキャップ「sommnie(ソムニエ)」を発表した。そのプロセスから感じた「技術をプロダクトに変えるための3つのポイント」をご紹介する。

sommnie(ソムニエ)

「睡眠の質向上」を研究するスタートアップ企業Neurospaceが開発したナイトキャップ。つくば大学との協同研究による、個人で使える1円玉サイズの脳波計を使用し、データはスマートフォンやクラウドで管理できる。ターゲットとして、30代女性のマネージャーポジションにつき、エステなども日常的に利用しやすいユーザーを対象としている。

Neurospace 代表取締役
小林孝徳氏

メンター
原田朋氏(TBWA\HAKUHODO\QUANTUM グループクリエイティブディレクター)
内間ローザ氏(TBWA\HAKUHODO\QUANTUM プロダクトデザイナー)
前原双葉氏(TBWA\HAKUHODO\QUANTUM Quantum Makers 責任者)
竹中野歩氏(TBWA\HAKUHODO\QUANTUM マーケティング)

1. 思い込みでターゲットを設定しない

技術に先走ると陥りやすいのが、「ターゲットユーザーの確認不足」だ。

当初sommnieは、睡眠の質を改善し、パフォーマンス向上を目的とするような、ビジネスアスリートに向いているのではないかという仮説が立てられていた。しかし、実際に500人ほどのユーザーへ念入りにヒアリングをしていくと、むしろ30代女性のマネージャークラス、メンタルヘルスの改善として睡眠の質を向上したいというニーズが見えてきた。

彼女たちはエステやアロマなどに毎月一定のお金をかけているということもあり、sommnieとの相性も良く、ターゲットユーザーとして設定されることになったのだ。

今回のメンタリングで「顧客価値ベース」に転換できたと語られていたように、ユーザーのニーズを深くリサーチし、ターゲットをしっかり確認することで、初めて技術からプロダクトの開発へ進めることになる。

2. プロトタイプから適切に1つを選ぶ

30代女性が睡眠時に使えるプロダクトとして、アイマスクや枕などたくさんのアイデアを出し、それぞれをプロトタイプ化することはある意味では簡単だ。しかし、重要なことはそこからブラッシュアップするための「1つを選ぶこと」である。

そのためには判断基準、すなわち「明確なターゲットユーザー」がチーム間で共有されていることが必要となる。

3. 使用シーンと技術を結びつける

sommnieは「ウェアラブルプロダクト」である。

脳波を計測するウェアラブルプロダクトと聞くと、医療施設で使われるような大袈裟な機器がイメージされてしまう。しかし、生活の中でリラックスして眠れる使用シーンを結びつけることによって、ソフトな質感、通気性、デザインのバリエーションをもち、洗濯もできるという、生活に取り入れやすいプロダクトに着地することができたのだ。