スタートアップにコーディングは必要ない!

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スタートアップの創設者であっても、コーディングなどの技術が必要とは限らない。彼らはそれよりも、コアコンピテンシー(最も得意なスキル)に集中することを決断し起業したのだ。スタートアップのために、技術以外で必要なソフトスキルやツール、最低限必要な技術的知識を学べるサイトをご紹介する。

スタートアップの創設者であっても、コーディングなどの技術を持ってない人達にインタビューを実施した。彼らは皆、素晴らしい製品を作り上げて資金を集め、収益を上げて優秀な人々を雇い入れるなど勢いに乗っている。しかし彼らは、コードは1行たりとも書いてはいない。

誤解のないように言っておくと、コーディングは有益かつ重要なスキルだ。しかし創設者たちが、アイデアを実行に移して製品として世に送り出すまでの過程の中でどんなことをしてきたかという話を聞くと、山ほどコードを書くことは、ハイテク業界で起業して成功を収めるための公式に含まれるわけではない、と私は強く感じた。

テクノロジーの仕組みをハイレベルで理解するには、コーディングは確かに役立つ。しかし私が話を聞いた創設者たちは、コアコンピテンシー(最も得意なスキル)に集中することを決断し起業した。コーディングを学ぶ道を選ぶのではなく、スタートアップを立ち上げた。結局のところ事業を興すためには、コーディング以外にもやらなければならないことはたくさんある。コーディングより難しいこともあるし、簡単なものもある。「オタクに任せるべき領域」については、創設者たちは、コードを書いたりアーキテクチャを構築したりすることに長けていて、情熱を傾けてそうした作業に取り組める人物に全てを任せるような権限を与えている。

スタートアップを立ち上げる完璧な方程式とは、ハッカーとセールスマンとデザイナーを集めることだ。
―Dave McClure氏、シードアクセラレータ「500 Startups」創設者

そのとおり。自分にハッカーの素質がない、またはハッカーのスキルはあってもその仕事は好きではない場合は、ハッカーを雇えばいい。では次に、会社経営の戦術について考えよう。

コーディング以外でスタートアップに必要なスキルとは?

スタートアップのために取り組まなければならないことはコーディング以外にも本当にたくさんあるので、コアコンピテンシーに集中するというのは納得できる判断だ。定量化が難しいスキルの例を以下に挙げる。

  • アイデアの価値の見極め
  • モックアップ作成/製品設計
  • 不屈の精神と知性の両立
  • モチベーションの維持
  • セールス
  • マーケティング
  • 人材採用
  • 組織の運営
  • 資金集め(必要に応じて)

社会活動を通して養われる、こうした「ソフトスキル」についてもっと詳しく知りたい人には、まず以下のサイトをおすすめする。
Essays
How to Build a Starup

最低限の技術的な知識を学べるサイト

テクノロジーの仕組みをハイレベルで理解したくなった時、また、別に機械を組み立てたり修理したりする必要に迫られたわけではなくても、機械の内部的な仕組みを知りたくなった時には、優れた講座が幾つか公開されている。ハッカーたちの専門用語が理解できて、RubyとPythonが別物であることを理解し、APIとAWSの区別がつくようになれば、非専門家としては十分な技術的知識があるといえる。

Harvard CS50
ハーバード大学の新入生全員必修の、コンビュータサイエンス講座の全内容。高度な内容も含まれるが、テクノロジーやコンピュータについて、専門知識ゼロのレベルから基本を一通り学ぶことができる。無料で公開されていて、受講には入学願書も裕福な親も不要だ。

CodeCademy
コーディングの基本を、難しいところに踏み込み過ぎずに楽しく学べるサイト。コードの中の「IF」や「THEN」が大切な理由が分かるようになる。

General Assembly
デザインやプロダクトマネジメントに関する、教室形式またはオンラインの講座が用意されている。非技術部門の、話の分かるマネージャを目指すにはうってつけだ。

ProtoHack
「ProtoHack」(最も重要なハック)とは大胆なネーミングだが、ハイテク業界のあらゆるスタートアップに役立つ、観念形成とプロトタイプ作成プロセスを理解するための素晴らしい手段を提供している。知識を一通り吸収したら、教室から出て人と出会い、さらに新たなことを数多く学び、起業に向かって一歩を踏み出そう。

技術者を探すためのサイト

コーダーを雇いたくなった時、またはひとまず最初のプロトタイプだけでも誰かにコーディングしてもらいたくなった時は、以下に挙げるオンラインやオフラインの場所にアクセスして人探しをするといい。

Upwork
仕事のアウトソーシングサイト、価格は労働力を供給する側が申告する(旧名はOdesk)

Gigster
注目を集めている会社の才能あふれるエンジニアチームと関係を構築し、作業をアウトソーシングすることができる

Fiverr.com
小規模なタスクを安価でアウトソーシングすることができる

FounderDating
技術力のある共同創設者を探せる。ただしサービスに加入して活動を始めるには、紹介を受けなければならない

Hackers/Founders Meetup
分野とスキルのレベルに応じて、ハッカーが仲間に出会うための素晴らしい場所

Mobile Monday Meetup
分野別のハッカーの出会いの場、モバイル中心の設計

技術者以外でスタートアップに必要なツール

開発者チームを率いる才覚がなければ、資金はたちまち底をつく。開発者の作業の方向性を維持し、開発を予定通りに完了させるのに役立つツールを以下に挙げる。

  • Bliss.ai
    自社の開発者の成果物に対するアナリティクスを実行できる

  • Trello
    「カード」スタイルのUIでプロジェクト管理と状況追跡が実施できるので、製品のロードマップ作成に役立つ

  • Sprintly
    チームの作業の進捗や問題点を追跡するサービス

  • InVision
    コーディングなしのモックアップ作成、共有やコラボレーションが簡単にできる

コードの書き方を覚えるという意味では、私にとってはその学習は全くの時間の無駄だった。ただし、自分の時間を投資する価値があったと思えたのは、その学習によって、コードを書ける人々と協力して仕事を進めるやり方が分かったことだ。彼らが使う言葉の意味や、自分の考えを彼らに伝えるにはどう表現すればいいかが分かったので、各自の担当作業はばらばらでも、それを1つの製品にまとめてもらえるようになった。デベロッパーと一緒に仕事を進める方法を見つければいい。自分がデベロッパーになろうと考えてはいけない。
―Perri Blake Gorman氏、アプリメーカー「Unroll.me」共同設立者

会社を設立して成功を収めるための要件から、「コーダーになること」を取り除くために利用できるリソースは、世の中にたくさんある。ここまでに、スタートアップを実現するためのお勧めの方法を幾つか紹介してきた。テクノロジーに関しては「十分な」レベルの知識を得る努力を払って、製品のアイデアが、将来の顧客になりそうな人々からも評価される実現可能なものであることを確認し、適切なスキルを持つ人々を集めて会社を作り、明確な目標を設定して、その達成に向かって的確な組織管理を進めよう。こうすれば、非技術系の創設者として成功を収める確率を大幅に高めるための基礎固めができる。