バイラルマーケティングに活かす!Snapchatのジオフィルターデザイン方法

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Snapchatのジオフィルターは、写真を撮ってスワイプするとすぐにその写真に地域限定のデコレーションをオーバーレイできるというものだ。これはイベントや新製品の宣伝、ブランドの知名度の向上に非常に効果的な方法である。Snapchatは、ブランドが非常に格安で購入できるオンデマンド・ジオフィルターを提供している。オンデマンド・ジオフィルターのツールをブランド戦略に使うのはまだ比較的新しい手法ではあるものの、企業がバイラルマーケティングの新たな分野に踏み出すにはとてもいい機会だ。

Snapchatとは何か?

まずは背景から話をしよう。自らを”古い人間”という人や、ソーシャルネットワークや流行のアプリなどにあまり興味のない人にとっては、Snapchatは写真やビデオを友人に送り一度開封されると自動的にそのファイルが消滅するアプリだという認識だろう。しかしこのアプリは、10代の若者たちが不適切な写真を送り合うのに使っていた過去の日々とは違い、今やメジャーなメディアプラットフォームとして賞賛を浴びるほどにまで大きく成長しているのだ。CNNやFood Network、Buzzfeedといったメディア企業がSnapchatのDiscover特集に常に登場しているほどだ。Taco BellやFree People、HubSpotといった有名ブランドも、このトレンドの波に乗り、ターゲットとする消費者に働きかけるチャネルの1つとしてSnapchatを活用している。

Snapchatは若者向けだと考えて自分のブランドに取り入れるのを避けてきたなら、今が考え直すべき時だろう。このアプリはもっと上の世代でも人気が急上昇しており、1日に新規ユーザになる人の50パーセントは25歳以上なのだ。独自のSnap Storyを作るのはまだ難しいと思うなら、フィルターをデザインしてSnapchatのジオフィルター機能でシェアするところから初めてみればいい。

Geofilter How-To
近所でSnapchatのアプリを右にスワイプしてジオフィルターにアクセスしてみよう。

99designでは今年、2つのジオフィルターを作って9/9 Dayを祝ったのだが、結果は大成功だった。しかし、Snapchatのジオフィルターを的確にデザインする方法や、どのようにこれを自分のビジネスを売り込むのに活用できるかということについては、よくまとまった資料はあまりなかった。そこで本記事で私がご紹介することにしよう!

ジオフィルターデザインのd5つのステップ

ここまでで大部分の人に、ジオフィルターとは何か、どのように機能するものかを理解してもらえたと思う。まだ理解できていない人は、このSnapchatの便利な説明書をチェックしてほしい。まずは、楽しいところから始めよう!

Snapchat filter design in 5 steps

1:コンセプトを決める

まずは、そもそもなぜこのフィルターを作ろうとしているのかという点に立ち返ろう。目的を明確にすることで、フィルターの見せ方やどのような情報を載せるかということを決めやすくなる。例えば、開催するイベントを宣伝するためにフィルターを作るのであれば、フィルターのどこかにイベント名を入れて、参加者がどのイベントに参加しているのかを友人に知らせられるようにしたい。一方、新たな製品を紹介するためにフィルターを使うのであれば、製品を面白く組み込むことで見込み客の心をつかむことができるかもしれない。もしくは、新規ビジネスでブランドの知名度を広げたいなら、ロゴやトレードマークを入れることで、そのフィルターを使う人だけなくSnapchat上でつながっているその人の友達にまでブランド名を広めることができるだろう。

このフィルターを作成する目的と、そのデザインで何を伝えるかを明確にしたら、自分のブランドのことと、それをどのようにSnapchatで表現するかについて考えよう。デザインがブランドのガイドラインに沿っていることも、一般的なSnapchatの美学にかなっていることも大切である(遊び心を持って、偏見を持たず、奇抜なものを考えよう)。作成したデザインは、選択する地域によっては何百万の人が目にすることを忘れてはいけない。そのため、誰にでも理解できる適切なものでなければならない(つまり既存客しか認識できないブランドアイコンを使っているなら、それを変更した方がいいかもしれないということだ)。

ブランド理念やイメージについて考えることは適したコンセプトを決める手助けになるはずだ。私たちの場合、9/9 Dayを祝うには 有名なアート作品に遊び心を加えてアレンジしたフィルターを作ることが、デザインやブランド理念をたたえるのにベストなやり方だと考えた。

Skittlesが自社製品のお菓子を使い、ユーザが自分の顔を虹色でデコレーションできるようにしたデザインもとても良い。これによって、彼らの「Taste the Rainbow」というキャッチコピーを次のレベルに引き上げ、さらにその製品を面白く独創的な方法で宣伝できている。

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引用元(左から): Sprout SocialYou Tube

同様に、Bank of Americaのllamaのフィルターはユーザの顔にラマの顔をオーバーレイさせるデザインで、#LLOVEYOURAPPのハッシュタグで注目を集めた。このフィルターは面白さに加え、銀行がこのようなデザインをするという意外性があり、当然、「What’s with Bank of America and llamas?(なんでBank of Americaとラマ?)」などとGoogleでちょっと検索したくなるデザインだった。

2:レイアウトする

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おっと失敗!

もう1つ考えなければならないのは、フィルターのデザインを、どのように後ろのユーザの写真とオーバーレイさせるかだ。ジオフィルターのレイアウトには、汎用の2つのタイプがある。(1)ユーザの顔をデザインの中に取り込むものと、(2)そうでないものだ。どちらのタイプでも、いくつか考えなければならないことがある。

ジオフィルターではSnapchatのレンズ機能では顔認識の機能が使えないため、ユーザの顔を取り込む場合は、全ての写真が完璧にフィルターのデザインに合うわけではないことを意識しなければならない。デザインしたものに複数の自撮り写真を取り込んでテストをしてみて、画面上にある構成要素の最適な間隔を決定しよう。

ユーザの顔を取り込まない場合、フィルターのデザインには複数のやり方がある。

  • 画面の縁に表示させるフレームを作成する
    これはユーザの写真に視点がいくようにさせる、より装飾性の高い方法である。他の方法と比べると華やかさには欠けるものの、正しくフィルターを作成すれば、シンプルな写真に意外性を与えることができるのだ。
  • テキストを使用する
    特定の言葉やフレーズ、イベントの名称を宣伝したいブランドの場合、テキストを多く使用することは、効果的な方法である。この方法を選択する際は、興味を引くことを念頭に置き、さりげないデザイン要素をタイポグラフィに加えることを考えよう。例えば、DisneylandのフィルターではMickey Mouseの耳をタイポグラフィに加えたことで、可愛さが増している。

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引用元(左から): DelmondoDelmondoDelmondo

Snapchatによると、デザインをどのように配置するかに関係なく、デザインが占める割合は画像全体の25パーセント以下が好ましいとしている。その他の領域をブランクにしておくことで、自撮り写真を際立出せることができるからだ。

またデザイナーは、iPhoneで表示できるスペックも考慮する必要がある。PhotoshopやIllustratorドキュメントをフォーマットする前にSnapchatが提供している申請ガイドラインを確認しておこう。

3:ロゴを組み込む

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テキストロゴをさりげなく表示することで、デザインそのものを壊さない。

これは”商標化されたブランド”のためのジオフィルターではあるが、アプリには提携を表示する必要がある。ジオフィルターがプレビューされる際、Snapchatでは、広告主であるブランド名が画面全体に簡単に表示されるのだ。しかし、写真を受け取る側にこの表示は送信されないし、他のソーシャルメディアにフィルター加工された写真をアップロードする際にも表示されない。これはつまり、ロゴやテキスト、ブランドのトレードマークをフィルターに入れなかった場合、ほとんどの人は、そのフィルターが特定のブランドのものだと判断できないことになる。

しかし、極端に宣伝っぽくならないようにブランド名を入れる方法はある。デザインを検証し、ロゴやトレードマークを入れることができる、わずかなスペースを探してほしい。私たちが作成した見事なAmerican Gothicのフィルターをよく見てみると、男性用のジャケットにあるボタンが、テキストロゴとして表示されているのが分かると思う。

ブランド表示をより明確にしたいのであれば、Gary Vaynerchunckのフィルターを見てほしい。彼のトレードマークである名前(例えば、Gary VeeやVaynerworld)が太字で表示されている。これらの名前を基に、ユーザは他のソーシャルメディアでも彼を探し出すことができるのだ。Snapchatでは、URLや電話番号、メールアドレスなどのコンタクト情報を掲載することを許可していないので、ソーシャルメディアのハンドルネームの@マークは削除しなくてはならない。

Gary Vaynerchuck Geofilters
引用元: Gary Vaynerchuck

しかしながら、ロゴや社名を入れるという選択をしたとはいえ(何が何でも入れたいという場合)、スパムのように見えなくするには、デザインに自然に馴染むようにすべきである。ブランドに馴染みのない人は特にだが、格好いいと思わない限り、積極的にブランドを紹介しようと思う人は誰もいないのだ。

4:書き出し

これで最後のステップだ。フィルターを一般公開する前の最終段階として、テキストや色が濃い素材のものは、白い線で囲うことを考えてほしい。そうすることで、これらがより目立つようになる。また、明るい画像や暗い画像に載せてみることで、デザインの彩度も確認しほしい。どんな写真にフィルターを追加してもはっきりと画像が表示されるようにするためである。

フィルターを一般公開する前に考えてほしいのは、「このフィルターで満足か?」、「格好いいフィルターか?」ということである。

Snapchatのユーザの年齢層は高くなっているとは言え、マーケティングの対象者は、依然として、目に留まれば使用するという、若い年齢層の人たちであるということを忘れないように。

作成できたデザインは、背景が透明な.PNG形式で保存する。ファイルの大きさは、縦1920px、横1080px、サイズ300KB以内でなければならない。Snapchatのガイドラインに従っていない申請については却下されてしまうので、問題が生じた場合を考慮し、数日の余裕をもって申請してほしい。

Geofilter submission process

5:完成!

デザインが出来上がり、確認を終えたら準備完了だ。デザインをアップロードするためにSnapchatのWebサイトにアクセスすると、ジオフィルターを表示させる時間と場所の指定を要求される。この指定によって、誰がフィルターを見ることになるかが左右されるので、フィルターを表示させる場所の範囲については、よく検討すべきだ。場所が限定されたビジネスなのであれば、範囲の指定は簡単だ。歩行者の交通量が多くなると考えられる、ビジネスが行われているすぐ近くを考慮しよう。その一方で、B2Bのテクノロジー企業であるなら、高校の近くは恐らく効果的ではない。オフィスが密集した地域やコワーキングスペースなどを探そう。ジオフィルターを登録する費用は、1,858平方メートルにつき533円(参考までに、これは非常に格安である)なので、フィルターを使用してもらえる機会を広げるために、複数の異なる場所を登録することもできる。

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Snapchatを使った効果的なマーケティング方法

Snapchatフィルターをデザインすることは、あくまでも仕事の一環である。人々がフィルターを使用し、他のソーシャルネットワークで共有してもらえるよう、マーケティングの手法を考えることも必要である!

1. 行動のきっかけを考える

マーケティング戦略を計画する前に、このフィルターでユーザに何をしてもらいたいかを明確にする必要がある。Snapchatのフォロワーになり、他のソーシャルネットワークで写真をアップロードしてほしいのか、または新製品を購入してほしいのか? 前述のとおり、コンタクト情報の掲載は禁じられている。メールアドレスの収集が目的なのであれば、Snapchatは適切な手段とは言えない。しかし、ブランドの知名度を高め、他のソーシャルネットワークでブランドについて拡散してほしいのであれば、ジオフィルターは効果的であると言えよう。

2. 情報を拡散させる

ユーザに期待どおりのことをしてもらうには、どうすべきか? マーケティング戦略は行動のきっかけと一致する必要があり、プロジェクトが設定した目的を達成する手助けになるものだ。ジオフィルターは位置ベースのものであるから、オフラインでマーケティングすることができる絶好の機会と言える。Snapchatを使ったマーケティング戦略の手法を2つ挙げておこう。

地域に密着した昔ながらの手法

Guerrilla marketing flyers
ゲリラ的なマーケティングのチラシをばらまく!

9/9 Dayでの目標は、人々がSnapchatで私たちとつながり、彼らの写真を送ってもらうことだった。これを達成するには、Snapchatのハンドル名を知ってもらう必要があったため、ゲリラ的マーケティング戦略を街で実施した。アメリカのOaklandとオーストラリアのMelbourne(99designesの所在地)でチラシをばらまき、ユーザにSnapchatのハンドルネームを周知してもらい、素晴らしい写真を送ってきた人にギフトボックスを提供すると告知した。この戦略は成功した! デスクから離れずにマーケティングを行いたいのであれば、フィルターを使ってもらえるよう、特定の地域でツイートすることを考えてみるといい。

ハッシュタグを利用した新しい手法

私たちのフィルターは、OaklandやMelbourneといったオフィスのある地域でのみ効果的であったが、広範囲にわたるユーザにも他のソーシャルネットワークで彼らの写真を共有してもらいたいと考えていた。そこで、写真を共有する際にユーザが使用できるハッシュタグを作成し、共有された全ての写真を追跡できるようにしたのだ。このハッシュタグはチラシだけでなく、TwitterやFacebookといった私たちの他のソーシャルメディアにも掲載した。そうすることで、フィルターに関する話題が持ち上がるようにしたり、Snapchatストーリーに目が向くようにしたりしたのだ。目的が露出やバイラリティなのであれば、ハッシュタグを作成することは役に立つだろう。

3. 効果を測定する

フィルターのパフォーマンスを測定することは難しい。なぜなら、Snapchatは分析データを提供していないからだ。しかし、成功やROIを測定する方法はある。Snapchatではフィルターの閲覧回数と使用回数を知ることができるので、使用回数を費用合計で割れば、1回の閲覧に対する費用を割り出すことができる。

Metrics from Snapchat
Snapchatでは、フィルターの閲覧回数と実際に使用された回数の比較を見ることができる。

他のソーシャルメディアに共有されることを目的にハッシュタグを作成したのであれば、外部共有の回数を知ることもできる。自身のSnapchatストーリーにジオフィルターを投稿したのであれば、閲覧回数やスクリーンショットされた回数を知ることができ、影響力を測ることができる。

Snapchatを活用しよう!

デザインやマーケティングどちらの目的であっても、事前に計画をしておくことは成功へとつながる。どのようなフィルターにしたいか、そしてブランドとして何を達成したいのかを明確にしたら、早速Snapchatを活用してみよう!


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