Snapchatの中毒性はどこからくるのか?

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心理学とテクノロジー、経営学を中心に執筆、教授活動を行っているコンサルタント。
Hooked: ハマるしかけ』著者。

Snapchatという名はどこかしらで目にしたことはあるだろう。MAUが1億人以上という、中毒性の高いメッセンジャーアプリだ。今週、私はVictoria YoungDori Adarと一緒に、このアプリを使い続けてしまう理由を考えた。そこで得られたいくつかの気付きを、長文のブログ形式でなく、シンプルなスライド形式でシェアしたい。スライドや中身についてご意見があれば、ぜひシェアして欲しい。



注釈:スライド訳

Snapchatを使っていますか? 使っていないなら、あなたはおそらく30代以上の方でしょう。このアプリはメチャやばいです! 月間アクティブユーザーは1億人、毎日の写真の流通量は4億枚、そして企業評価額は100億ドルに達しています。
なぜ人々はSnapchatにハマってしまうのでしょうか? Snapchatを解読してみたいと思います。

1. Snapchatってなに? (p.9)

Snapchatは手軽にちょっとしたコンテンツを作ることができる、スマートフォンでの暇つぶしに最適なアプリです。日々のふとした瞬間を撮影するのにとても便利なカメラアプリで、「絶好のシャッターチャンス」を逃しません。そして、特殊なルールを持つメッセンジャーアプリでもあります。他のアプリとルールを比べてみましょう。

アプリ ルール
Tinder 気に入ったら右スワイプ、お断りなら左スワイプ、相手も右スワイプしてくれたらマッチング成立
Twitter 投稿は140文字以内
Vine 6秒間の動画を作る
Snapchat 数秒で消える写真や動画を送る

Snapchatはこのルールでなぜ大成功できたのでしょう? それは気楽なコミュニケーションということではないでしょうか。写真がすぐ消えてしまうおかげで、人は素直になり、ふざけることができ、ありのままを出せるのです。

10秒で消えるんだから、何を送ったっていいじゃん — あるSnapchatユーザの声

そのため、写真に対する他人からの評価を気にすることが減ります。Snapchatユーザは何も考えずに写真をシェアすることができるのです。Instagramのフィードが普段着では行けないウェディング披露宴会場だとしたら、Snapchatは友人宅でパジャマを着て過ごすようなものです。

2. どのようなアプリか (p.25)

まず起動するとカメラ画面が表示されます。これは、このアプリがユーザにやってもらいたいことは写真撮影だということを示唆します。他のアプリ(Instagram、Facebook、Twitter)はタイムラインを初期表示としていますが、Snapchatはそのルールを破り、カメラ画面を最初に持ってきました。そして何タップも必要だった操作手順をたった1タップに減らすことに成功しています。

Snapchatが操作の手間を減らした箇所は、そこだけではありません。Instagramで写真に合うフィルターを探すのに手間取ったことはないでしょうか? 人はひとつのフィルターを選択する前に、(1)次はどのフィルターを掛けてみよう、(2)そのフィルターは写真に合うかな?という2つの思考ステップを踏みます。Snapchatでは、スワイプするだけで自動的にフィルターが適用されます。考えることが1つ少ないのです。この違いは非常に大きいです。

さらにSnapchatはユーザをクリエイティブにします。写真に色をつけたり、落書きしたり、写真を編集するのは楽しく、無限大のカスタマイズができます。それだけではありません。地理フィルターを使えば、たった1回のスワイプで写真に撮影場所オリジナルのカスタマイズをすることができます。写真撮影とカスタマイズは、創造性と驚きに満ちています。人気を集めた写真はSnapchatに選ばれ、アプリ上に一般公開され、多くの人に見てもらえます。全ての写真は「予期せぬ喜び」をユーザに提供してくれます。

もうひとつ、Snapchatには習慣に関する隠し玉があるようです。

3. 隠し玉 (p.42)

Snapchatの隠し玉は、メッセンジャーアプリとして始まったことに由来するようです。それは写真を送ると「返報性の法則」が働くのです。社会心理学における返報性とは、お礼をしたくなる心の動きを指します。この法則により、ユーザは写真を受け取ると送り返さなければならない義務感にかられるのです。写真はすぐに消えるため、受け取った写真の内容を忘れないうちに返信しなければなりません。

Snapchatでの返信は「受け取った写真をダブルタップしたら返信」という仕組みです。わずか数タップで返信が送れるのです。ただ使用しているだけで、次の写真を送るきっかけが繋がっていくのです。こうしてSnapchatは習慣となっていくのです。

Snapchatには強力な習慣化モデルがあります

  1. シャッターチャンスを逃すまいという心理が働きます — 内的トリガー(きっかけ)
  2. アプリを開き、たったの1タップで写真を撮ります — アクション(行動)
  3. ちゃんと撮れたかな?どんな見た感じかな?どうカスタマイズしようかな?という創造性と驚き — リワード(予期せぬ喜び)
  4. 写真を友達に送りします。それが「次なるトリガー」となります。また新しいコンタクトが追加されると利用価値が高まります — インベストメント(投資させる)
  5. 写真が送られるとスマホに通知が届き、返報性の法則が起動します。そしてフックのサイクルは続きます — 外的トリガー(きっかけ)

これが人々がSnapchatにハマる仕組みです。