Uberは最後に政治を変える

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地方政府はUberなどのカーシェアリングサービスに規制をかけ、スタートアップの前に立ちはだかる。しかし、それらのサービスが人々へ提供する「新たな体験」と「参入の簡易性」によって、政府もいずれは従うことになるだろう。

合理的な無知

市や郡や州(それらの多くでは、UberやLyft、Sidecar の台頭により職を失いつつあるタクシー会社が幅を利かせている)は、カーシェアリングサービスを常に規制しようとしている。サービスに対する明確な禁止措置であるか、うんざりするようなライセンス規制であるかにかかわらず、地方政府はテックスタートアップの前に繰り返し立ちはだかるのだ。

そして、その試みは失敗し続けている。

なぜこうなるのか? 自由市場に関するシンクタンク政策団体は、タクシー業界の規制緩和に向けてこの数十年、動いてきた。経済学者や政策評論家たちは一様にタクシーや交通の規制は長所よりも短所の方が多く、助けるべき人々を苦しめているという見解を示し、規制自体が結果的にタクシー会社の競争をなくす装置になっていると述べている。

答えは簡単だ。人々は合理的な無知を選択している。

つまり、タクシーや交通が規制で保護されることで人々に害を及ぼそうとも、多くの人々は従来型の市場において規制で生じるコストを見て見ぬふりしている。規制は人々に数ドル余分に払えと要求するかもしれないが、事態を把握し投票所に行って自分の立場を表明することになれば、時間もコストももっとかかることは目に見えているからだ。その間、タクシー会社はロビー活動の成果で莫大な利益を上げ続ける。

ほとんどの人々にとっては、交通規制に目を向けないのはごく当たり前のことだろう。時間をかけて説得、抗議したとしても、タクシー会社によるカルテルよりもベターな選択肢を想像するくらいが関の山だ。しかし一方で、カルテルとして、ロビー活動すべき明確な選択肢はすでに存在している。

全てを変えるのが、シェアリングエコノミーだ。

合理的な無知から合理的な憤りへ

Uberのようなスタートアップは、人々に真の選択肢を提案している。彼らは、保護主義が経済的にどれほど非効率かということを報告書で示すようなことはしないし、タクシー会社から政治家に不正献金が流れる仕組みを図解したりもしない。また、現状を打破するためにロビイストを雇う必要さえない。

その代わりに彼らが人々に提供するのが新たな体験だ。

UberやAirbnbのようなサービスの新しい利用者は、ほとんどの場合、その使いやすさに衝撃を受ける。Uberでは、ボタンを押せば目の前に車がやって来る。ドライバには目的場所や降車場所を伝えるだけでいいし、お金のやり取りをする必要はない。アプリのGPS機能のおかげで迷う心配もないし、「クレジットカードではなく現金で支払ってくれ」と責められたりもしない。

このような形で、消費者は現状と比較できる選択肢を得る。

DeBlasioのような政治家や規制当局が、これらの勇敢な新興企業を取り締まろうとする時、そのサービスを知った今であれば、個人的な体験から消費者たちは怒りを露わにし、市役所に圧力をかける理由を持つことになる。その時、「選択肢が1つなくなるらしい」というぼんやりした考えだったものが、「ヤツらが私たちの権利を取り上げるつもりだ」という明確なものに変わっているはずだ。


Uberはニューヨークで公開した「De Blasio」モードで、正にこのことを言っている。
source: Techcrunch

サービス提供が違法な地域でも働き続けて欲しいという運転手へのUberの要請は、人々がそのサービスを欲していることをUberが自覚していることの表れだ。違法にもかかわらず人々がそのサービスを利用し続けているという事実は、起業家たちが政治よりも先を進んでいるということを示している。厳密に言うと、人々は規制に違反している形になるが、利用者はそんなこと気にしないか、サービスの法的状態なんて知りもしないかのどちらかだろう。

Airbnbのホストは、彼らの住空間をアパートの賃貸借契約条件に反して貸し出している。これは、恐らくはその街の接客に関する規制に引っかかるだろうが、こちらでも彼らはあまり気にしていない。Airbnbがもたらす経験は非常に有益で、ホストにも利用者にもメリットが高い。

これらの起業形態の何が新しいのかというと、サービスの交換に従事するための参入の壁がとても低いことだ。求職をしたりサービスの提供を直接、受けに行ったりするのではなく、ボタン操作1つで即座に利用者や従業員になることができる。その簡易性によって生まれる経験や利便性は、従来のビジネスモデルをはるかにしのぐものだろう。

より良い顧客体験を創出すれば、政治はそれに従う

政治が技術革新を追うペースは非常に遅い。既得権益と固定化されたスケジュールの中で、政治家たちは自身の選択肢が邪魔されないようにすることの方が先決で、有権者の圧力が自身の優先するものを上回った時だけしか有権者の意向に従わないからだ。

外交問題や社会的事案のような主要問題について、人々を説得して信念を変えさせ、政治家に圧力を与えるよう仕向けるのは難しいし、企業に対する規制や税金といった比較的、小規模な問題でも、少なくとも袖の下に何かを忍ばせでもしないと、その状況は変わらない。


source: CNBC

新時代の起業家たちは、そのような不可能に近いことに挑戦している。シェアリングエコノミーの利用者とホスト(サービスの提供者)は、双方共に、既得権益者に説得された熱心な規制当局のせいで失うものがあまりにも大きいのだ。

最後にはシェアリングエコノミーが勝つ。