パーソナルアシスタントが実現する未来のUIデザイン

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root inc. 代表取締役 高知県出身。デジタルハリウッド卒業後、都内の制作会社経て2012年創業。 サービス開発に特化したデザインコンサルティング・制作事業を手がける。

Appleの Siri をはじめとするパーソナルアシスタントが、人工知能を使った自動応答システムや音声アシスト機能など、人とデバイスとの関わり方を根本から変えるソリューションとして注目を集めています。

今回はそのパーソナルアシスタントと人とのコミュニケーションを観点に未来のインターフェイスデザインについてご紹介します。

注目を集めるパーソナルアシスタントとは?

「パーソナルアシスタント」とは、多忙な人に代わり雑務などをこなしてくれる秘書サービスのことを意味しています。

現代では、コンシェルジュサービスなど人がその業務を代行することが一般的です。その領域をテクノロジーによって補おうとしているのが、AIを活用したパーソナルアシスタントです。

現時点ではまだ実用的なレベルまで人工知能の精度が向上していないこともあり、AppleのSiriのように簡易的な受け答えをするレベルに留まっています。

AIで何ができるのか?

iPhoneをお持ちの方は一度はSiriを使ってみた経験があるのではないでしょうか。
先日公開されたiOS9アップデートによってSiriの音声認識は初期のものよりも格段に精度が上がっています。
またGoogle NowやMicrosoftのCortanaでは予約した飛行機に乗り遅れないよう移動経路や出発時間まで自動的に案内してくれる機能も実装されています。
現時点で実現されているのは、テキストや音声による簡単な質問の受け答えや案内など情報収集レベルのサポートのみですが、今後AIの発展はめざましく、近い将来実現が予想される機能がいくつかあります。

・欲しいものをAIに伝えておけば購入しておいてもらえる
・行き先を伝えるだけでルート案内して目的地まで移動
・携帯電話で人のように対話をする(電話のオペレーターは全て人工知能になる)
・スケジュール管理はAIが一括して担当(秘書が必要なくなる)
・人の要望を事前に察知して欲しいものを提供してくれる

例えば通勤時に通勤経路を自動案内する、起床時間に電気を着けて起こしてくれるなど、まるでSF映画のようなシチュエーションですがこのような未来がやってくるのはそう遠くないでしょう。

AIアシスタントによって変わる人とデバイスのインターフェイス

現在、インターネットへ接続するための手段はPC / スマートフォンなどのデバイスを介し、さらにブラウザやアプリを使って行う情報収集がメインとなっています。言い換えるなら、人が欲しい情報に対して能動的に動き情報を取得することが当たり前の世界なのです。

しかし、AIを活用したパーソナルアシスタントの普及により、この常識が覆ることとなるでしょう。人は自分が欲しい情報を能動的に探すのではなく、欲しい情報を欲しいタイミングでパーソナルアシスタントに提供してもらうことができるように変化していくと考えられます。

これによって、今では当たり前に使っているスマートフォンやPCといったデバイスの形も大きく変化する可能性を秘めています。

未来で必要とされるUIデザイン

現在では主にPCやスマートフォンの画面上の見やすさ、使いやすさを設計することがUIデザインの役割となっています。近い将来、パーソナルアシスタントのコミュニケーションが実現した場合に求められるインターフェイスデザインは、「いかに人に近いコミュニケーションを取ることができるか」という点が重視される可能性があります。

もしかしたら、Pepperをはじめとする人型ロボットが次世代のスタンダードUIとなるかもしれません。これは人間の本質的な欲求として、無機質な機械との会話ではなく人対人のコミュニケーション(感情のある会話)を求めるからです。

最近シャープから発表されたロボット型電話 ロボホンからも、こうした兆候を感じます。

このコンセプトを見た時、次世代のデバイスの姿はロボットになる可能性を強く感じました。今まで機械が実現することの出来なかった対話型コミュニケーションがテクノロジーによって実現される未来がやってくるのです。

Microsoftが提供するパーソナルアシスタントのCortanaはビデオゲーム「Halo」のストーリーで登場するAIを模してMicrosoft Phoneに導入したもの。ゲーム内で描かれるCortanaはホログラムによって人型に映しだされるなど、より人に近いコミュニケーションが取れるインターフェイスとして描かれています。

インターフェイスがハードであるか、デジタルであるかはわかりませんが、対話を前提としたインターフェイスへと変化していく可能性があるのです。

変化の激しい時代だからこそ「人間中心」の設計思想をもつ

テクノロジーの発展により今まで当たり前だったものが覆る可能性はこれからますます多くなってくるでしょう。

複雑化するデバイスやテクノロジーを見ていると、デザイナーが今後、押さえておくべきポイントはWebやアプリといった既存の枠組みに縛られた設計手法ではないように思います。

人を中心としたコミュニケーションやニーズを元に、デバイスに制約されない設計思想を持つことこそが、これからのデザイナーに必要になるのではないでしょうか。

最後に現在公開されているパーソナルアシスタントの注目株をご紹介します。

Apple Siri
Google Now
Facebook M
Microsoft Cortana